<定義>
疾患による症状、薬物療法の副作用、患者の嗜好と合わない食事などによる食欲低下や食への興味の減退を起こし、栄養素の不適切な摂取や栄養摂取量の低下に関連して体重が減少する可能性がある状態を言う。
<看護計画>
疾患:
既往歴:
治療内容:
目標
( )までに体重が( )kgになる
口腔内の障害が改善し食事摂取量が増える
不快な刺激が最小限となり食事摂取できる
不安やストレスが減少し食欲が増える
エネルギー消費量分のエネルギーを摂取量できる(維持できる)
O-P
1.疾患、治療内容
2.アレルギーの有無
3.食事摂取できない要因
-摂食中枢の障害(脳腫瘍、脳出血、脳梗塞など)
-嚥下困難(脳血管障害、神経筋障害、筋萎縮性側索硬化症、筋ジストロフィー、脳性麻痺、パーキンソン病など)
-栄養吸収障害(クローン病、潰瘍性大腸炎、壊死性腸炎、乳糖不耐症など)
4.バイタルサイン、意識レベル
5.検査データ( TP、Alb、血清トランスサイレチン、血清トランスフェリン、 電解質、血糖値、 WBC、CRP、尿中ケトン、腹部レントゲン)
6.食事内容、食事形態、嗜好の有無
7.食欲、食事摂取量
8.必要カロリーと摂取カロリーのバランス
9.水分摂取状況
10.脱水症状の有無と程度(口渇の有無、皮膚の状態、尿量、倦怠感や脱力感の有無)
11.体重、体重の変化
12.BMI
13.浮腫の有無
14.排便状況、 腹部膨満の有無
15.睡眠状況
16.食事摂取を阻む症状の有無
–口腔内や嚥下時の疼痛の有無
-悪心や嘔吐の有無、 嘔吐の回数、 吐物の性状と量
17.食事環境
18.食事時の姿勢、頭の位置や角度、体の位置や角度
19.食事摂食動作
20.開口障害の有無と程度
21.口腔内の状態
22.歯の状態、義歯の有無、歯肉の状態
23.舌の動きや状態
24.咀嚼能力、嚥下能力
25.嚥下障害による随伴症状(むせ込み、咳嗽、誤嚥、つかえ感、食べ物残留、悪心、嘔吐)
26.食事中や食後の表情や言動
27.食事に対する思い
28.ソーシャルサポート(社会的支援)の活用状況
-情緒的サポート:共感や愛情の提供
-道具的サポート:形のある物やサービスの提供
-情報的サポート:問題の解決に必要なアドバイスや情報の提供
-評価的サポート:肯定的な評価の提供
T-P
1.患者の状態に応じて食事時の環境を調整する
2.患者の状態や嗜好に応じて食事内容を調整する
3.患者の状態に応じて食事量、食事回数、時間の調整、食事形態、食事場所、自助具の使用などを検討する
4.食事を開始する前に食事時の姿勢を整える
5.悪心や嘔吐がある場合の工夫
-悪心や嘔吐時は治まるまで待つ
-冷たく臭いの少ない食品を選択する
-制吐薬の使用を検討する
6.顔面や舌に麻痺がある場合の工夫
-健側で咀嚼してもらう(介助の場合は食べ物を健側に入れる)
-食事前に口腔周囲筋のストレッチ、含嗽や口腔ケアを行い唾液の分泌を促す
7.舌の動きに障害がある場合の工夫
-口腔内の後方に食べ物を置くための自助具を使用する
-姿勢を仰臥位やフ ァーラー位とする
8.誤嚥しやすい場合の工夫
-嚥下困難を起こす可能性のある食べ物は避ける(乾燥した食べ物、バラバラになる食べ物など)
-水分を半固形物に調整する(増粘剤やとろみを使用する)
-水分を挟んで摂取してもらう
9.気管カニューレがある場合の工夫
-食事の直前にカフ圧を調整する
-食前後に吸引を行う
10.摂取量が少ない時にはカロリーの高い捕食を検討する
11.定期的な体重測定を行う
12.排便コントロールを行う
13.医師指示の輸液の管理を行う
14.必要時な場合、栄養管理士や栄養サポートチーム(NST)に相談する
15.ソーシャルサポート(社会的支援)を紹介する
E-P
1.自分のベースでゆっくりと食事する様に説明する
2.食事内容や食事形態は変更できる事を説明する
3.必要カロリーや栄養素について説明する
4.悪心や嘔吐がある場合の工夫について説明する
5.顔面や舌に麻痺がある場合の工夫について説明する
6.舌の動きに障害がある場合の工夫について説明する
7.誤嚥しやすい場合の工夫について説明する
8.気管カニューレがある場合の工夫について説明する
9.家族に高エネルギー、高蛋白、消化の良い食べ物が良い事を説明する
10.在宅生活で食事摂取が困難になった際は医療者に相談する様に説明する
11.ソーシャルサポート(社会的支援)について説明する