＜定義＞
非効果的健康管理とは、疾患によって医療処置・症状の管理・身体機能の維持などを必要とする患者やその家族が必要な処置やケアを行う事が困難あるいは不十分であり、望む生活ができない状態を言う。
＜「非効果的健康維持」と「非効的健康管理」の使い方の違い＞
「非効果的健康維持」は喫煙、運動不足や過食・偏食などの不健康な生活習慣を変えたいと願っている個人に用いられ、発病を予防するための1次予防の場合に使用する。
「非効的健康管理」は疾患や健康管理に関する教育が必要な患者に使用する。
＜看護計画＞
疾患：急性腎不全
既往歴：
治療内容：
目標
自己管理に必要な知識や技術を習得できる
問題点に気づき対処できる
必要な支援を受けられる
O-P
1.急性腎不全の原因
-腎前性（腎血流量の低下）：体液量の減少、有効循環血漿量の減少、心拍出量の減少
-腎性（腎臓の異常）：糸球体の障害、急性尿細管壊死、急性間質性腎炎など
-腎後性（尿の排泄障害）：尿管の閉塞、膀胱・尿道の閉塞
2.検査データ
-血液検査：BUN、Cr、CCr、電解質（Na、K、Cl、Ca）、Ht、WBC、CRP、Ph、Hb、TP、Alb
-尿検査：尿蛋白、尿比重、尿浸透圧、尿中（U）Na、尿中（U）K、尿中（U）Ca、尿中クレアチニン（U-Cre）尿素窒素（UN）
-腹部CT、MRI
-腹部超音波検査
-心電図
-血管造影検査（腎動脈の閉塞が疑われる場合）
3.ADL・IADL
4.認知力、理解力
5.バイタルサイン
6.急性腎不全の症状の有無、程度
-乏尿
-無尿
-高血圧
-浮腫
-体重増加
-呼吸苦、呼吸困難
7.合併症の有無
-高カリウム血症（手や口のしびれ、不整脈、脱力、味覚異常など）
-高リン血症（皮膚掻痒感、易疲労感など）
-代謝性アシドーシス（ほとんど無症状）
-高窒素血症（食欲不振、悪心などの消化器症状）
-尿毒症（食欲不振、悪心・嘔吐、腹痛、全身倦怠感、筋痙攣 、意識障害、昏睡など）
-貧血
-肺うっ血、心不全
-肺水腫
-感染症（カテーテルや免疫の低下による尿路感染症、肺炎、敗血症など）
8.食事摂取量、食事内容
9.嗜好、偏食の有無
10.体重、体重の変化
11.排尿状況
12.排便状況
13.安静度
14.活動量
15.睡眠状況
16.治療内容
-腎前性
・輸液、輸血
・昇圧剤
-腎性（糸球体の障害）
・ステロイド薬
・免疫抑制剤
・血漿交換療法
-腎性（急性尿細管壊死）
・原因と増悪因子の除去
-腎性（アレルギー反応）
・原因薬物の除去
・ステロイド薬
-腎後性
・導尿
・膀胱留置カテーテルの留置
・経皮的腎瘻造設
-食事療養（栄養管理）
-透析療法
-合併症に対する治療
・（ ）
・（ ）
・（ ）
17.服薬状況
18.服薬管理状況
19.疾患について誰にどの様に説明されているか
20.疾患、治療に対する受け止め方
21.疾患についての理解
22.治療についての理解
23.不安に思っていること
24.ストレスの有無、対処方法
25.セルフマネジメントの内容
-セルフマネジメントに対する理解度
-患者が行っている行動が正しいか
26.生活状況
-1日の過ごし方
-食生活（回数など）
-喫煙、飲酒の有無
-運動量、運動習慣
-自宅・地域の環境
-職業
-経済状況
27.家族のサポートの有無、状況
28.家族の知識、理解
29.ソーシャルサポート（社会的支援）の活用状況
-情緒的サポート：共感や愛情の提供
-道具的サポート：形のある物やサービスの提供
-情報的サポート：問題の解決に必要なアドバイスや情報の提供
-評価的サポート：肯定的な評価の提供
T-P
1.患者の思いに寄り添い、尊重した態度で接する
2.患者の思い、不安に思っている事を傾聴する
3.患者の発言、表情や行動で気になった事は理由を確認する
4.安楽に過ごせる様に環境を調整する
5.ADLや安静度に応じて必要な動作を介助する
・できる事は自身で行う様に声掛けする
・できない事は介助する
6.乏尿や無尿に対して排尿の管理に対するケアを行う
※コピペでかんたん立案！排尿障害の看護計画を参照
7.血圧の管理を行う
※コピペでかんたん立案！非効果的健康管理：高血圧の看護計画を参照
8.浮腫がある場合、浮腫に対するケアを行う
※コピペでかんたん立案！皮膚統合性障害リスク状態（成人）の看護計画を参照
9.呼吸を妨げない様にゆとりのある衣服にする
10.呼吸を妨げない様に掛物はできるだけ軽い物にする
11.安楽な体位の工夫を行う
-上体を30～45度に挙上する（セミファウラー位またはファウラー位）
12.それぞれの合併症に対してはサクッとまるわかり！急性腎不全の看護診断を参照する
（医師の指示を確認し、治療に応じて以下のケアを選択する ※以下番号なし）
輸液の管理を行う
輸血の管理を行う
内服管理を行う
血漿交換療法に対する準備や管理を行う
導尿を介助する
膀胱留置カテーテルを留置し管理する
腎瘻造設の準備や腎瘻の管理を行う
腎不全の原因に応じた食事の管理を行う
-エネルギーや蛋白質を重症度や基礎疾患に応じて調整する
-塩分、水分、Kを制限する
-透析を行う場合、透析療法に対するケアを行う
※コピペでかんたん立案！非効果的健康管理：透析療法の看護計画を参照
（状態安定後、退院に向けて以下のケアを選択する ※以下番号なし）
栄養指導が受けられる様に調整する
確実に服薬できる様に内服管理を行う
内服を自己管理できる様に方法を検討する
疾患に対する注意点や自己管理の方法についてのパンフレットを作成する
家族が同一の知識を得られ対応できる様に、 家族全員に説明できる場をつくる
在宅医療が受けられる様に多職種や地域と連携する
退院前カンファレンスを開催する
-患者や家族がニーズや不安な事などを表出できるように支援し、必要時は代弁する
-退院指導の内容を地域の支援者に伝える
ソーシャルサポート（社会的支援）を紹介する
E-P
1.急性腎不全についてパンフレットを用いて以下説明する（急性腎不全から回復した場合、再発予防の指導を行う）
-急性腎不全とは、現在の病状
-治療方法
-日常生活の注意点
・原疾患の治療
・食事管理（エネルギーを適切に摂取、蛋白質を適切に摂取、減塩、カリウム制限、水分量の調整）
・血圧管理（毎日血圧を測る）
・禁煙
・肥満予防
・節酒
・激しい運動は避ける
・適度な運動を行う
（慢性腎不全に移行した場合）
コピペでかんたん立案！非効果的健康管理：慢性腎臓病（慢性腎不全（CKD））の看護計画を参照
2.かかりつけ医の必要性について説明する
3.ソーシャルサポート（社会的支援）の活用方法について説明する
4.災害時の対応について説明する
以下、急性腎不全についての参考サイト（外部サイト）
急性腎不全、AKIとは、検査・治療
さらに詳しく急性腎障害（AKI） 国立研究開発法人 国立循環器研究センター
急性腎障害（AKI）と急性腎不全（ARF）について（PDF）
急性腎不全の予後
急性腎不全 一般社団法人日本腎臓学会（PDF）
（CKD）日常生活の注意点について
日本腎臓学会発作成の診療ガイドライン 一般社団法人日本腎臓学会
医師・コメディカルのための慢性腎臓病 生活・食事指導マニュアル 一般社団法人日本腎臓学会（PDF）
慢性腎臓病 生活・食事指導マニュアル～栄養指導実践編～ 一般社団法人日本腎臓学会（PDF）
