【アセスメントの視点】あっという間にすぐ書ける!胸水貯留のらくらくアセスメント

症状別アセスメント

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胸水貯留を評価する領域

ゴードンの機能的健康パターン:活動-運動パターン
ヘンダーソンの14の基本的欲求:正常に呼吸する

胸水、胸水貯留とは

胸水
肺の外側は全体的に胸膜という二重の薄い膜で覆われている。胸膜は、胸壁側(心臓や肋骨の周囲)を覆っている壁側胸膜と肺を覆っている肺胸膜(臓側胸膜)の2枚からなる。この2枚の胸膜の間には胸膜腔(胸腔)というわずかな隙間がある。この空間には、黄色調でほとんど透明な漿液(生理的胸水)が10~15ml程度存在する。

生理的胸水は、壁側胸膜と肺胸膜(臓側胸膜)が擦れ合ったり癒着したりしないようにする潤滑油の役割をもつ。これは壁側胸膜の毛細血管から産生され、肺胸膜(臓側胸膜)や縦隔のリンパ管から吸収される。

胸水貯留とは、何らかの疾患や障害によって生理的胸水の産生と吸収のバランスが崩れて胸膜腔に胸水が過剰に貯留した状態を言う。

胸水の種類
胸水には、漏出性胸水と滲出性胸水の2種類がある。

1.漏出性胸水
・非炎症性で、静脈圧の上昇や血漿の膠質浸透圧の低下などによって生じる。
・一般的には両側性にみられる。
・性状は黄色~透明、水様でさらっとしている。
・胸水中の総蛋白質が3.0g/dL未満。

2.滲出性胸水
・炎症性や腫瘍などにより、毛細血管の透過性が亢進することで生じる。
・一般的には片側性にみられる。
・性状は混濁、血性、膿性など多様である。
・胸水中の総蛋白質が3.0g/dL以上。

胸水の性状
・漿液性胸水:黄色調でほとんど透明。細胞成分やフィブリン(血液凝固に関与する繊維状の蛋白質)はごくわずかで、さらっとしている。
・血性胸水:血液が混入しているため、赤色〜赤褐色。
・膿性胸水:感染によって膿が混入しており、クリーム色〜混濁した黄色。粘稠性が高く、悪臭を伴うこともある。
・乳び胸水:リンパ液や脂肪分が混入しているため白濁(乳白色)。

胸水貯留に必須の情報収集項目

胸水が貯留する原因

胸水貯留が始まった時期から現在までの経過

胸水の量、性状

胸水の随伴症状の有無と程度(胸痛、咳嗽、呼吸困難など)

胸水に関する検査データ(胸部レントゲン、肺超音波検査、胸部CT、胸腔穿刺、血液検査(感染、炎症反応など)、細菌培養検査、腫瘍マーカーなど)

胸水貯留に対する治療の有無(安静療法、薬物療法、外科的療法(胸腔穿刺、胸腔ドレナージ)、食事療法、酸素療法、原疾患に対する治療など)

胸水貯留に対する治療の効果

胸水貯留に対する患者や家族の反応

胸水貯留のアセスメント定型文

アセスメントの基本的な流れと書き方

アセスメントの基本的な流れと書き方は次のようになります。
1.患者の状態の判断
【患者の情報】から患者の状態は適切ではない・異常である(正常ではない)。

2.根拠の記載
判断した患者の状態は【判断した根拠や理由】によって生じている。

3.実在型問題の記載
現在、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】により【実在型】の看護問題が起きており、【実在型】の看護問題を挙げる。

現在、【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】の随伴症状により【実在型】の看護問題が起きており、【実在型】の看護問題を挙げる。

4.今後の見通し、リスク型問題の記載
今後、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】により
【リスク型】の看護問題が起きる可能性があり、【リスク型】の看護問題を挙げる。

今後、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】の随伴症状により【リスク型】の看護問題が起きる可能性があり、【リスク型】の看護問題を挙げる。

作成の方法

・1~4をつなぎ合わせてアセスメントを作成してください。
・【 】の中には具体的な内容を記入するか、項目の中から選択してください。
・( )は表現の言い換えになります。両方または使いやすい方を選択してください。

1.患者の状態の判断

■患者の状態
Aさんは【いつから】、【胸水貯留が始まった時の状況を記入】となり、【胸水貯留が生じてから現在までの経過を記入】。現在は【胸水貯留の詳しい状況を記入】である。

検査データは【異常な検査データ、画像などの結果を記入】である。

■介入の有無
胸水貯留に対しては【治療、ケアなどの対策】が行われている。

胸水貯留に対しては【治療、ケアなどの対策】が行われているが効果は十分ではない。

胸水貯留に対しては【治療、ケアなどの対策】が行われており【効果を具体的に記入】。

■患者・家族の思い、認識
Aさん(Aさんの家族)は胸水貯留について【患者の反応(家族の反応)】と【話している、認識している】。

■適切・不適切の判断
(ゴードンの場合)
以上の情報から、胸水貯留とそれに伴う弊害が認められる現在の状況は適切な状態とは言えない。

(ヘンダーソンの場合)
以上の情報から、胸水貯留とそれに伴う弊害が認められる現在の状況は異常な状態である。(正常な状態とは言えない。)

2.根拠の記載

■左心不全による胸水貯留

左心不全により左心系のポンプ機能が低下すると血液が肺循環にうっ滞し、肺うっ血を起こす。この状態が持続すると肺毛細血管圧が上昇し、血管内の水分や血漿成分が漏出する。これらの漏出した漿液が壁側胸膜の毛細血管網から胸膜腔(胸腔)に過剰に流入する。この胸水貯留はこれらの機序により生じている。

■僧帽弁狭窄症(MS)による胸水貯留

僧帽弁狭窄症により僧帽弁が狭窄すると左心房から左心室への血流が妨げられる。これにより、左心房に血液がうっ滞し、肺静脈圧が上昇することで肺うっ血を起こす。この状態が持続すると肺毛細血管圧が上昇し、血管内の水分や血漿成分が漏出する。これらの漏出した漿液が壁側胸膜の毛細血管網から胸膜腔(胸腔)に過剰に流入する。この胸水貯留はこれらの機序により生じている。

■閉鎖不全症(MR)による胸水貯留

閉鎖不全症により僧帽弁がしっかりと閉じないことで左心室収縮期に血液が逆流する。これにより、左心室から左心房に血液が逆流して肺静脈圧が上昇することで肺うっ血を起こす。この状態が持続すると肺毛細血管圧が上昇し、血管内の水分や血漿成分が漏出する。これらの漏出した漿液が壁側胸膜の毛細血管網から胸膜腔(胸腔)に過剰に流入する。この胸水貯留はこれらの機序により生じている。

その他の根拠一覧

■右心不全(うっ血性心不全)による胸水貯留
■肝硬変(肝機能低下)による胸水貯留
■ネフローゼ症候群、腎症による胸水貯留
■自己免疫疾患による胸水貯留
■食道がん、悪性リンパ腫による胸水貯留
■肺がん、胃がん、乳がんによる胸水貯留
■悪性中皮腫、肝がん、大腸がんによる胸水貯留
■感染症に伴う胸膜炎による胸水貯留
■胸部外傷による胸水貯留

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