【アセスメントの視点】あっという間にすぐ書ける!低血圧のらくらくアセスメント

症状別アセスメント

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低血圧を評価する領域

ゴードンの機能的健康パターン:活動-運動パターン
ヘンダーソンの14の基本的欲求:正常に呼吸する、衣服の調整と環境の調整により、体温を正常範囲に保持する

※低血圧は疾患や患者の状態に応じてその他の領域に入ることがあるので、上記の領域にこだわらないようご注意ください。

血圧とは

血圧とは、心臓から送り出された血液が血管内を移動する際に、血管壁に加わる圧力を言う。

収縮期血圧(最大血圧、最高血圧)とは、心臓が収縮して血液を大動脈へ送り出すときに、血管壁にかかる最も高い圧力のことを言う。

拡張期血圧(最小血圧、最低血圧)とは、心臓が拡張して、心室に血液が流入するときに、血管壁にかかる最も低い圧力のことを言う。

脈圧とは、収縮期血圧と拡張期血圧の差を言う。

血圧を調整するしくみについては以下を参照してください。(同じ記事の別の項目になります)
高血圧に関するQ&A 血圧を決める因子には何があるの? 看護roo!

高血圧に関するQ&A 血圧はどうやって調整されているの? 看護roo!

血圧に影響を及ぼす因子
・遺伝的要因:家族歴がある場合、本態性高血圧または低血圧の発症リスクが高くなる。血圧の基準値や変動傾向は遺伝的要因に左右されやすくなる。
・加齢:加齢による動脈壁の弾力性低下(動脈硬化)、血圧を調整する圧受容器反射機能の低下、交感神経のβ受容体機能の低下、左室壁肥大による心臓の拡張機能低下、腎機能低下による体液量の調節障害、電解質バランスが崩れやすくなること(易破綻性)、インスリンの抵抗性の増大や耐糖能障害の進行、ホルモン分泌の異常や障害などの変化が生じることによって血圧は上昇する。
・更年期:エストロゲンには血管拡張作用、動脈硬化抑制作用(血管リモデリング抑制作用)、腎保護作用、交感神経の活動抑制作用がある。更年期の女性はエストロゲンの減少により、これらの作用が低下することによって血圧は上昇する。
・代謝による変動:食事、運動、入浴、排泄、発熱などにより代謝が亢進すると、心拍出量の増加や末梢血管抵抗の変動により血圧は一時的に変動する。
以下に代謝による変動の各項目について詳細を示す。
・食事:食後は消化・吸収のために消化管への血流が増えることにより、末梢血管抵抗が低下して一時的に血圧が低下することが多い。ただし、血圧低下を補う代償機序として心拍数が増加して血圧が上昇する場合もある。約1
時間で元に戻る。
・運動:運動により心拍数が増加し、血圧は上昇する。ただし、個人の体力と運動量および運動強度による。数分~数十分で元に戻る。
・入浴:熱いお湯の場合は代謝の亢進と末梢血管収縮により血圧は上昇するが、適温の場合は血管が拡張して血圧は低下しやすい。
・排泄:排泄前~排泄中はバルサルバ効果で血圧は上昇する。また、排泄時の努責により血圧は上昇する。排泄後は迷走神経反射や静脈還流の変化により血圧は低下する傾向にある。
・発熱:発熱の初期には、基礎代謝の亢進による心拍出量の増加や悪寒戦慄時の末梢血管の収縮(末梢血管抵抗の増大)により血圧は上昇する。高熱時には体温を下げるために末梢血管が拡張し、血圧は低下しやすくなる。

・呼吸:息を止めると胸腔内圧が上昇し一時的に血圧が低下するが、息止めを解除すると静脈還流が増加して血圧が上昇する。(バルサルバ効果)。深呼吸をすると迷走神経作用の亢進により血圧は低下しやすくなる。
・体位、姿勢:血圧は重力の影響を受ける。臥位では心臓への静脈還流量が増加することにより、座位や立位と比較して血圧は上昇する傾向にある。起き上がると重力により血液が下肢に多く移動して中心血液量が減少して血圧は低下する。
・左右差:血圧は右上肢の方が5~10mmHg高い傾向にある(正常範囲内は10mmHg以下)。これは右鎖骨下動脈が左鎖骨下動脈より大動脈から分岐する位置が近く、血流の抵抗が少ないためと考えられている。
・肥満:肥満により循環血液量が増加して心拍出量が増大すること、インスリン抵抗性の増大による高インスリン血症が交感神経を活性化して血管が収縮すること、脂肪細胞から分泌されるサイトカインが交感神経やレニン‐アンジオテンシン‐アルドステロン系(RAA系)を亢進させることによりナトリウムの再吸収が促進されて体液量が増加することにより血圧は上昇する。
・生活習慣:不摂生な生活は血圧の変動に影響を与える。
・食習慣:ナトリウムは末梢血管を収縮させるとともに、腎臓における水分の再吸収を促進することで体液量を増加させて血圧を上昇させる。カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルはナトリウムの排泄を促進する。これらが不足すると血圧は上昇しやすくなる。
・飲酒:アルコールを摂取した直後は、アルコール代謝により産生されたアセトアルデヒドの作用によって末梢血管が拡張して一時的に血圧は低下する。しかし、継続的かつ過剰な飲酒は交感神経やレニン‐アンジオテンシン‐アルドステロン系(RAA系)を刺激して血圧の上昇をもたらすとされているが、そのメカニズムについては解明されていない。
・喫煙:ニコチンが交換神経を刺激して血管を収縮させるため、血圧は一時的に上昇する。
・ストレス:心身のストレスにより交感神経が刺激されて末梢血管が収縮すること、心拍出量が増加すること、アドレナリンの分泌が亢進することなどにより血圧は上昇する。ただし、極度の緊張や恐怖など特定の状況では副交感神経が優位となり、末梢血管が拡張して血圧は低下する。これを血管性迷走神経反射と言う。
・気温、環境要因:気温が高いと末梢血管が拡張して血圧は低下する。気温が低い、冷たい場所、急激な寒暖差では末梢血管が収縮して血圧は上昇する。

低血圧とは

低血圧とは、持続的に血圧が低い状態を言う。
WHOでは収縮期血圧100mmHg以下、拡張期血圧60mmHg以下を低血圧としている。

※臨床的には、収縮期血圧90mmHg以下、拡張期血圧60mmHg以下を低血圧と認識していることが多い。

低血圧の分類
・本態性低血圧:明らかな原因疾患がない低血圧。遺伝的要因、やせ型体型、副交感神経優位の体質、神経質、女性に多いとされている。
・二次性低血圧:呼吸器疾患、心血管疾患、内分泌疾患、薬剤誘発性など、明らかな原因疾患が存在する低血圧。
・起立性低血圧:起立時に重力の影響により、下肢に血液が貯留して静脈還流が減少することによって血圧が低下する状態。
・食後低血圧:食後の消化・吸収のために消化管への血流が増えることにより、末梢血管抵抗が低下して一時的に血圧が低下した状態。

低血圧に必須の情報収集項目

低血圧の原因

低血圧となった時期から現在までの経過

低血圧が出現するタイミング

家族歴(低血圧、心疾患、内分泌疾患など)

BMI

性格、気質

精神状況

食事量、食事内容、嗜好の有無

飲水量、飲水内容

飲酒内容、量

喫煙量

運動習慣

睡眠状況

排便状況

ストレスの有無、程度

起立時の血圧の変化、ふらつきの有無

ADLの状況、影響

低血圧の随伴症状の有無と程度(頭痛、めまい、呼吸苦、ふらつき、食欲不振、悪心・嘔吐、易疲労感、倦怠感など)

低血圧に関する検査データ(血液検査、胸部レントゲン、心電図、心臓超音波検査(心エコー)、CT、MRI、自律神経機能検査など)

低血圧に対する治療の有無(薬物療法、食事療法、生活指導など)

低血圧に対する治療の効果

低血圧に対する患者や家族の反応

低血圧のアセスメント定型文

アセスメントの基本的な流れと書き方

アセスメントの基本的な流れと書き方は次のようになります。
1.患者の状態の判断
【患者の情報】から患者の状態は適切ではない・異常である(正常ではない)。

2.根拠の記載
判断した患者の状態は【判断した根拠や理由】によって生じている。

3.実在型問題の記載
現在、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】により【実在型】の看護問題が起きており、【実在型】の看護問題を挙げる。

現在、【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】の随伴症状により【実在型】の看護問題が起きており、【実在型】の看護問題を挙げる。

4.今後の見通し、リスク型問題の記載
今後、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】により
【リスク型】の看護問題が起きる可能性があり、【リスク型】の看護問題を挙げる。

今後、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】の随伴症状により【リスク型】の看護問題が起きる可能性があり、【リスク型】の看護問題を挙げる。

作成の方法

・1~4をつなぎ合わせてアセスメントを作成してください。
・【 】の中には具体的な内容を記入するか、項目の中から選択してください。
・( )は表現の言い換えになります。両方または使いやすい方を選択してください。

1.患者の状態の判断

■患者の状態
Aさんは【いつから】、【低血圧が出現した時の状況を記入】となり、【低血圧が出現してから現在までの経過を記入】。現在は【血圧の詳しい状況を記入】である。

検査データは【異常な検査データ、画像などの結果を記入】である。

■介入の有無
低血圧に対しては【治療、ケアなどの対策】が行われている。

低血圧に対しては【治療、ケアなどの対策】が行われているが効果は十分ではない。

低血圧に対しては【治療、ケアなどの対策】が行われており【効果を具体的に記入】。

■患者・家族の思い、認識
Aさん(Aさんの家族)は低血圧について【患者の反応(家族の反応)】と【話している、認識している】。

■適切・不適切の判断
(ゴードンの場合)
以上の情報から、低血圧とそれに伴う弊害が認められる現在の状況は適切な状態とは言えない。

(ヘンダーソンの場合)
以上の情報から、低血圧とそれに伴う弊害が認められる現在の状況は異常な状態である。(正常な状態とは言えない。)

2.根拠の記載

■本態性低血圧

この持続的な低血圧は、明らかな原因疾患がないことから本態性低血圧であると考えられる。

■自律神経中枢の障害による低血圧(脳・神経疾患)

【脳幹梗塞、脳幹出血】により自律神経中枢が障害されると交感神経刺激に対する血管収縮反応が低下して末梢血管抵抗が低下する。この【低血圧、起立性低血圧】はこれらの機序により生じている。

■自律神経中枢~末梢・反射障害による低血圧(脳・神経疾患)

【多系統萎縮症(MSA)、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、ウェルニッケ脳症、レヴィ小体型認知症】により、自律神経中枢から交感神経末梢や圧受容器反射が障害されると交感神経刺激に対する血管収縮反応が低下して末梢血管抵抗が低下する。この【低血圧、起立性低血圧】はこれらの機序により生じている。

■節後ニューロンの障害による低血圧(脳・神経疾患)

【ギラン・バレー症候群、末梢ニューロパチー、脊髄損傷】により交感神経節後ニューロンが障害されると交感神経刺激に対する血管収縮反応が低下して末梢血管抵抗が低下する。この【低血圧、起立性低血圧】はこれらの機序により生じている。

その他の根拠一覧

■圧受容器反射障害による低血圧(脳・神経疾患)
■肺血管の狭窄、閉塞による低血圧(呼吸器疾患)
■肺高血圧による低血圧(呼吸器疾患)
■低酸素血症による低血圧(呼吸器疾患)
■緊張性気胸による低血圧(呼吸器疾患)
■胸腔への体液貯留による低血圧(呼吸器疾患)
■徐脈性不整脈による低血圧(心疾患)
■頻脈性不整脈による低血圧(心疾患)
■心疾患による低血圧(心疾患)
■弁膜症による低血圧(心疾患)
■大動脈解離による低血圧(心疾患)
■心タンポナーデによる低血圧(心疾患)
■甲状腺機能低下症による低血圧(内分泌疾患)
■副腎皮質機能低下症、アジソン病による低血圧(内分泌疾患)
■副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の低下による低血圧(内分泌疾患)
■糖尿病性自律神経の障害による低血圧(内分泌疾患)
■心機能抑制作用による低血圧(薬剤性低血圧)
■血管拡張作用による低血圧(薬剤性低血圧)
■利尿作用による低血圧(薬剤性低血圧)
■中枢神経抑制作用による低血圧(薬剤性低血圧)
■血管拡張作用+中枢神経抑制作用による低血圧(薬剤性低血圧)
■重度感染症による低血圧(その他の疾患)
■重度の貧血による低血圧(その他の疾患)
■循環血液量の減少による低血圧(その他の原因)
■肝機能低下による低血圧(その他の原因)
■低栄養・低たんぱく血症による低血圧(その他の原因)
■自律神経失調症による低血圧(その他の原因)
■食後低血圧(その他の原因)
■起立性低血圧の補足

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