【アセスメントの視点】あっという間にすぐ書ける!腹部膨満感のらくらくアセスメント

症状別アセスメント

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腹部膨満感を評価する領域

ゴードンの機能的健康パターン:栄養-代謝パターン、活動-運動パターンなど
ヘンダーソンの14の基本的欲求:適切に飲食する、移動する、好ましい肢位を保持するなど

腹部膨満感とは

腹部膨満とは、消化管内のガスの貯留、便秘による便の貯留、腫瘍の形成、腹水などにより、他覚的に腹部が膨隆している状態を言う。

腹部膨満感とは、腹部が膨らんで大きくなっていると自覚する主観的な症状を言う。腹部膨満とは異なり、視診や触診などで明らかな腹部の膨らみが認められない場合でも、本人が不快感や張り感を訴えることがある。

※腹部膨満感の原因として腹水が含まれますが、なんでなんだナーシングでは腹部膨満感のらくらくアセスメントと腹水のらくらくアセスメントに分けることとします。

腹部膨満感に必須の情報収集項目

腹部膨満感の原因

腹部膨満感が出現してから現在までの経過

腹部膨満感の程度

腹部膨満の程度

腹部および全身の皮膚の状況

増悪、軽減する因子の有無

自覚症状の有無

腹部膨満感の随伴症状の有無、程度(息苦しさ、食欲不振、腹痛、便秘、体動困難など)

腹部膨満感に関する検査データ(血液検査(栄養状態、貧血、炎症反応、肝機能、腎機能)、尿検査、胸腹部レントゲン、腹部超音波など)

ADL・IADL

バイタルサイン

呼吸状態(安静時、労作時)

食事摂取状況、食事内容

水分出納バランス

体重の変化

栄養状態(BMI、皮下脂肪など)

運動状況

排泄状況

睡眠状況

腹部膨満感に対する治療の有無(原因疾患の治療、食事療法、薬物療法、生活指導など)

腹部膨満感に対する治療の効果

腹部膨満感に対する患者や家族の反応

腹部膨満感のアセスメント定型文

アセスメントの基本的な流れと書き方

アセスメントの基本的な流れと書き方は次のようになります。
1.患者の状態の判断
【患者の情報】から患者の状態は適切ではない・異常である(正常ではない)。

2.根拠の記載
判断した患者の状態は【判断した根拠や理由】によって生じている。

3.実在型問題の記載
現在、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】により【実在型】の看護問題が起きており、【実在型】の看護問題を挙げる。

現在、【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】の随伴症状により【実在型】の看護問題が起きており、【実在型】の看護問題を挙げる。

4.今後の見通し、リスク型問題の記載
今後、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】により
【リスク型】の看護問題が起きる可能性があり、【リスク型】の看護問題を挙げる。

今後、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】の随伴症状により【リスク型】の看護問題が起きる可能性があり、【リスク型】の看護問題を挙げる。

作成の方法

・1~4をつなぎ合わせてアセスメントを作成してください。
・【 】の中には具体的な内容を記入するか、項目の中から選択してください。
・( )は表現の言い換えになります。両方または使いやすい方を選択してください。

1.患者の状態の判断

■患者の状態
Aさんは【いつから】、【腹部膨満感が生じた時の状況を記入】となり、【腹部膨満感が生じてから現在までの経過を記入】。現在は【腹部膨満感の詳しい状況を記入】である。

検査データは【異常な検査データ、画像などの結果を記入】である。

■介入の有無
腹部膨満感に対しては【治療、ケアなどの対策】が行われている。

腹部膨満感に対しては【治療、ケアなどの対策】が行われているが効果は十分ではない。

腹部膨満感に対しては【治療、ケアなどの対策】が行われており【効果を具体的に記入】。

■患者・家族の思い、認識
Aさん(Aさんの家族)は腹部膨満感について【患者の反応(家族の反応)】と【話している、認識している】。

■適切・不適切の判断
(ゴードンの場合)
以上の情報から、腹部膨満感とそれに伴う弊害が認められる現在の状況は適切な状態とは言えない。

(ヘンダーソンの場合)
以上の情報から、腹部膨満感とそれに伴う弊害が認められる現在の状況は異常な状態である。(正常な状態とは言えない。)

2.根拠の記載

■吞気症による腹部膨満感

呑気症では、過剰に嚥下された空気が胃や腸管内に滞留して圧迫する。この腹部膨満感はこれらの機序により生じている。

■右心不全による腹部膨満感

右心不全(うっ血性心不全)により右心系のポンプ機能が低下すると静脈圧が上昇し、血管内の水分が組織間液(間質液)へ漏出して全身の浮腫や肝うっ血が生じる。これにより肝腫大が生じて腹部を圧迫する。また、腸管浮腫は腸管の蠕動運動の低下を引き起こす。さらに、静脈圧亢進や肝うっ血により腹水が貯留する。この腹部膨満感はこれらの機序により生じている。

■胃の拡張による腹部膨満感

【胃潰瘍の瘢痕や胃がんによる通過障害・幽門狭窄、糖尿病神経障害による胃不全麻痺、術後イレウスなど】により胃内容物の排出が障害されて胃が拡張すると腹腔を圧迫する。この腹部膨満感はこれらの機序により生じている。

■肝疾患による腹部膨満感

【脂肪肝、ウイルス性肝炎、肝硬変、肝がんなど】では、肝臓内の血流障害による門脈圧亢進症や肝機能低下により腹水が貯留する。また、肝腫大や脾腫大により腹腔が圧迫されることもある。この腹部膨満感はこれらの機序により生じている。

その他の根拠一覧

■脾臓の腫大による腹部膨満感
■上腹部の悪性腫瘍による腹部膨満感
■下腹部の悪性腫瘍による腹部膨満感
■下腹部の良性腫瘍による腹部膨満感
■潰瘍性大腸炎、クローン病による腹部膨満感
■腹壁瘢痕ヘルニアによる腹部膨満感
■ガスの過剰産生、貯留による腹部膨満感
■単純性イレウスによる腹部膨満感
■絞扼性イレウスによる腹部膨満感
■麻痺性イレウスによる腹部膨満感
■術後の癒着による腹部膨満感
■抗コリン薬による腹部膨満感
■カルシウム拮抗薬による腹部膨満感
■オピオイド鎮痛薬による腹部膨満感
■抗がん剤による腹部膨満感
■膨張性下剤による腹部膨満感
■浸透圧性下剤による腹部膨満感
■便秘による腹部膨満感
■肥満による腹部膨満感
■サルコペニアによる腹部膨満感
■妊娠による腹部膨満感
■更年期障害による腹部膨満感
■過剰な輸液による腹部膨満感

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