【アセスメントの視点】あっという間にすぐ書ける!高血圧のらくらくアセスメント

症状別アセスメント

この記事は、noteのメンバーシップで公開している【完全版】の一部を【無料お試し版】として公開しています。

メンバーシップ(初月無料)に参加すると、この記事の全ての解説はもちろん、300本以上の全ての看護計画・アセスメント記事が今すぐ読み放題になります。Word/Excelでのダウンロード特典も利用可能です。

高血圧を評価する領域

ゴードンの機能的健康パターン:活動-運動パターン
ヘンダーソンの14の基本的欲求:正常に呼吸する、衣服の調整と環境の調整により、体温を正常範囲に保持する

血圧とは

血圧とは、心臓から送り出された血液が動脈の血管壁に加わる圧力を言う。

収縮期血圧(最大血圧、最高血圧)とは、左心室が収縮して血液を大動脈へ送り出すときに血管壁にかかる最も高い圧力のことを言う。

拡張期血圧(最小血圧、最低血圧)とは、左心室が拡張している間、末梢血管の抵抗によって動脈内に維持される最も低い圧力のことを言う。

脈圧とは、収縮期血圧と拡張期血圧の差を言う。

血圧を調整するしくみについては、以下を参照してください。
高血圧に関するQ&A 看護roo!
・血圧を決める因子には何があるの?
・血圧はどうやって調整されているの?

血圧に影響を及ぼす因子
1.遺伝的要因:家族歴がある場合、本態性高血圧の発症リスクが高くなることが知られている。これは血圧調整に関わる複数の遺伝子が関与する多因子遺伝によるものと考えられている。

2.加齢:加齢に伴い動脈壁の弾力性や血圧を調整する圧受容器反射の感度が低下する。また、腎機能の低下によりナトリウムの排泄能が低下し、体液量が増加しやすくなる。これらが複合的に作用して血圧は上昇しやすくなる。

3.更年期:エストロゲンには、血管拡張作用、動脈硬化を抑制する作用、交感神経の活動を抑制する作用など血圧を安定させる働きがある。閉経後、エストロゲンの分泌が急激に減少するとこれらの作用が失われるため、血圧は上昇しやすくなる。

4.食事、運動、入浴、排泄などの日常生活動作や発熱などの身体状況の変化に伴い心拍出量や末梢血管抵抗が変動するため、血圧は一時的に変動する。

4-1.食事:食後は消化管への血流が増加するため、相対的に末梢血管抵抗が低下して一時的に血圧が低下する傾向がある(食後低血圧)。

4-2.運動中は骨格筋への血液供給のため心拍出量が増加し、収縮期血圧は上昇する。一方、骨格筋の血管は拡張するため末梢血管抵抗は低下し、拡張期血圧は変わらないまたは軽度の低下が見られる。

4-3.42℃以上の熱いお湯では交感神経が刺激されて末梢血管が収縮するため血圧は上昇する。一方、40℃以下のぬるいお湯では副交感神経が優位となり血管が拡張するため血圧は低下する傾向にある。

4-4.排便時の努責により息をこらえると胸腔内圧が上昇し、血圧は変動する。排便後は、胸腔内圧の上昇から解放されて静脈還流が回復することや迷走神経反射の影響により急激に血圧が低下することがある。

※息をこらえるバルサルバ法による血圧の変動は「①一時的な上昇(相I) → ②持続する胸腔内圧による低下(相II) → ③解除直後の短時間の低下(相III) → ④静脈還流の回復に伴い反動的に急上昇(相IV)」というパターンをたどります。

4-5.発熱:発熱の初期には基礎代謝の亢進による心拍出量の増加や悪寒戦慄時の末梢血管の収縮(末梢血管抵抗の増大)により血圧は上昇する。高熱時には体温を下げるために末梢血管が拡張し、血圧は低下しやすくなる。

5.呼吸:穏やかな深呼吸は副交感神経を優位にするため血圧を低下させる効果がある。

6.体位、姿勢:体位や姿勢により血圧は変動する。臥位では重力の影響が少なく静脈還流量が増加するため、座位や立位に比べて血圧はやや高くなる傾向がある。一方、臥位から立位になると重力により血液が下肢に停滞して静脈還流量が減少するため、一時的に血圧は低下する(起立性低血圧)。通常は圧受容器反射により速やかに回復する。

7.左右差:血圧は右上肢の方が高い傾向にあり、通常の左右差は10mmHg未満である。これは右鎖骨下動脈が大動脈弓に近く、血管抵抗が少ないためと考えられている。

8.肥満:脂肪組織の増大に伴う循環血液量の増加、インスリン抵抗性を介した交感神経系の活性化、脂肪細胞から分泌されるサイトカインなどによるレニン‐アンジオテンシン‐アルドステロン系(RAA系)の亢進など複数の機序が複合的に作用し血圧を上昇させる。

9.食習慣:ナトリウムの過剰摂取により体内のナトリウム濃度が上昇すると浸透圧により腎臓での水分再吸収が促進され、循環血液量が増加して血圧が上昇する。一方、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルはナトリウムの排泄を促進し、血圧の上昇を抑制する。

10.飲酒:アルコールの摂取直後は、アルコール代謝により産生されたアセトアルデヒドの作用により末梢血管が拡張して一時的に血圧は低下する。しかし、慢性かつ多量の飲酒により交感神経系やRAA系が活性化するため血圧が上昇すると考えられている。

11.喫煙:たばこに含まれるニコチンが交感神経を刺激する。これにより神経終末からノルアドレナリンが放出され、副腎髄質からカテコールアミンが分泌される。これらの作用により心拍出量が増加し、末梢血管が収縮して血圧が一時的に上昇する。また、慢性的な喫煙は動脈硬化を促進し、高血圧を発症・増悪させる因子となる。

12.ストレス:心身のストレスが交感神経系を活性化させる。これにより神経終末からノルアドレナリンが放出され、副腎髄質からカテコールアミンが分泌される。これらの作用により心拍出量が増加し、末梢血管が収縮して血圧は上昇する。ただし、極度の緊張や恐怖など特定の状況では副交感神経が優位となり、末梢血管が拡張して血圧は低下する。これを血管性迷走神経反射と言う。

13.気温、環境要因:気温が高いと末梢血管が拡張して血圧は低下する。気温が低い、冷たい場所、急激な寒暖差では末梢血管が収縮して血圧は上昇する。

高血圧とは

高血圧とは、安静時の血圧が持続的に正常範囲を超えて高く維持されている状態をいう。

高血圧の分類
高血圧は「高血圧の程度」と「高血圧の原因」の2つに大別される。

1.高血圧の程度による分類
高血圧は重症度に応じて分類され、治療方針の決定や合併症のリスク評価に用いられる。日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2025」では、高血圧の診断基準は、従来通り診察室血圧140/90mmHg以上(家庭血圧135/85mmHg以上)とされている。一方で、合併症のない成人における降圧目標は「130/80mmHg未満」へと、2019年版の基準から強化された。

2.原因による分類
高血圧は、原因によって「本態性高血圧」と「二次性高血圧」の2つに大別される。

2-1.本態性高血圧:原因疾患を特定できず、遺伝的素因と塩分の過剰摂取、肥満、過度の飲酒、喫煙、運動不足、ストレスといった複数の生活習慣因子が複合的に関与して発症する高血圧のこと。日本の高血圧患者の約90%を占める。

2-2.二次性高血圧:腎疾患、内分泌疾患、心血管疾患、薬剤など明らかな原因疾患によって引き起こされる高血圧のこと。高血圧の約10%程度を占める。

※高血圧を引き起こす心血管疾患は、心不全や虚血性心疾患ではなく、大動脈縮窄症などの心臓や大血管の構造的な異常に限られます。

高血圧が及ぼす影響
高血圧による持続的な圧負荷は血管壁に様々な障害を引き起こし、
全身の動脈硬化を促進する。動脈硬化は主に以下の2つに分かれる。

1.アテローム性動脈硬化(粥状動脈硬化)
高い圧力により血管内皮細胞が障害されると血管壁の機能が低下する。これにより血液中のLDLコレステロールなどが血管壁に侵入・蓄積しやすくなり、アテローム(粥状硬化巣、プラーク)が形成される。アテロームが比較的太い動脈で進行すると、血管が狭窄・閉塞し、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こす。

2.細動脈硬化
高い圧力に長期間晒された細動脈は、その圧力に抵抗するために血管壁が厚く、硬くなる(血管のリモデリング)。これにより、血管の内腔が狭くなることで臓器への血流が障害される。特に脳や腎臓の細動脈でこの変化が進行すると、硬く脆くなった血管が破れて脳出血を引き起こしたり、腎機能が低下して腎不全の原因となる。

高血圧に必須の情報収集項目

高血圧の原因

既往歴、家族歴(高血圧、糖尿病、脳血管疾患、心疾患、腎疾患など)

血圧状況、変化

高血圧の随伴症状の有無と程度(頭重感、頭痛、肩こり、めまい、耳鳴り、倦怠感など)

高血圧に関する検査データ(血液検査(脂質、血糖、腎機能、肝機能、電解質など)、尿検査、心電図、胸部レントゲン、眼底検査など)

体重、体重の変化、BMI、腹囲

食事量、食事内容、嗜好の有無

活動量、運動習慣

睡眠状況

飲酒、喫煙の有無、量

精神状況、ストレスの有無

高血圧に対する治療の有無(生活習慣の改善(食事療法、体重コントロール、運動療法、節酒、禁煙など)、薬物療法、基礎疾患に対する治療)

高血圧に対する治療の効果

高血圧に対する患者や家族の反応

高血圧のアセスメント定型文

アセスメントの基本的な流れと書き方

アセスメントの基本的な流れと書き方は次のようになります。
1.患者の状態の判断
【患者の情報】から患者の状態は適切ではない・異常である(正常ではない)。

2.根拠の記載
判断した患者の状態は【判断した根拠や理由】によって生じている。

3.実在型問題の記載
現在、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】により【実在型】の看護問題が起きており、【実在型】の看護問題を挙げる。

現在、【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】の随伴症状により【実在型】の看護問題が起きており、【実在型】の看護問題を挙げる。

4.今後の見通し、リスク型問題の記載
今後、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】により
【リスク型】の看護問題が起きる可能性があり、【リスク型】の看護問題を挙げる。

今後、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】の随伴症状により【リスク型】の看護問題が起きる可能性があり、【リスク型】の看護問題を挙げる。

作成の方法

・1~4をつなぎ合わせてアセスメントを作成してください。
・【 】の中には具体的な内容を記入するか、項目の中から選択してください。
・( )は表現の言い換えになります。両方または使いやすい方を選択してください。

1.患者の状態の判断

■患者の状態
Aさんは【いつから】、【高血圧がわかった時の状況を記入】となり、【高血圧がわかってから現在までの経過を記入】。現在は【血圧の詳しい状況を記入】である。

検査データは【異常な検査データ、画像などの結果を記入】である。

■介入の有無
高血圧に対しては【治療、ケアなどの対策】が行われている。

高血圧に対しては【治療、ケアなどの対策】が行われているが効果は十分ではない。

高血圧に対しては【治療、ケアなどの対策】が行われており【効果を具体的に記入】。

■患者・家族の思い、認識
Aさん(Aさんの家族)は高血圧について【患者の反応(家族の反応)】と【話している、認識している】。

■適切・不適切の判断
(ゴードンの場合)
以上の情報から、高血圧とそれに伴う弊害が認められる現在の状況は適切な状態とは言えない。

(ヘンダーソンの場合)
以上の情報から高血圧とそれに伴う弊害が認められる現在の状況は異常な状態である。(正常な状態とは言えない。)

2.根拠の記載

本態性高血圧

■本態性高血圧共通のアセスメント文章

A氏の高血圧は、原因疾患が特定できない本態性高血圧である。A氏の高血圧の要因として以下のような内容が考えられる。

※以下に続く本態性高血圧の要因の中から患者さんに当てはまるものを選択して続けて記入してください。

■遺伝的要因による血圧の上昇

Aさんの家族歴には【高血圧、糖尿病、脳血管疾患、心疾患、腎疾患など具体的な家族歴を記入】があり、高血圧の発症に関与する遺伝的素因を持っている可能性が考えられる。

■加齢による血圧の上昇

Aさんは【年齢を記入】歳と高齢である。
加齢に伴い動脈壁の弾力性や血圧を調整する圧受容器反射の感度が低下する。また、腎機能の低下によりナトリウムの排泄能が低下し、体液量が増加しやすくなる。これらが複合的に作用して血圧は上昇しやすくなる。

■更年期による血圧の上昇

Aさんは【年齢を記入】歳で閉経している。
エストロゲンには、血管拡張作用、動脈硬化を抑制する作用、交感神経の活動を抑制する作用などの血圧を安定させる働きがある。閉経後、エストロゲンの分泌が急激に減少するとこれらの作用が失われるため、血圧は上昇しやすくなる。

■塩分の過剰摂取による血圧の上昇

Aさんは普段から【具体的な食事内容を記入】など塩分の多い食事を好む傾向にある。このような塩分の過剰摂取により体内のナトリウム濃度が上昇すると、浸透圧により腎臓での水分再吸収が促進され、循環血液量が増加して血圧が上昇する。

■ミネラルの不足による血圧の上昇

Aさんの食生活は【野菜や果物、海藻類の摂取が少ないなど具体的な食事内容を記入】であり、ナトリウムの排泄を促進するカリウムなどのミネラルが不足している可能性がある。ミネラルが不足すると体内のナトリウムの排泄が妨げられ、循環血液量が増加して血圧が上昇する。

その他の根拠一覧

■肥満による血圧の上昇
■飲酒による血圧の上昇
■喫煙による血圧の上昇
■慢性的な睡眠不足による血圧の上昇
■ストレスによる血圧の上昇
二次性高血圧
■脳血管障害による高血圧
■慢性腎臓病による高血圧
■糖尿病性腎症による高血圧
■慢性糸球体腎炎による高血圧
■多発性嚢胞腎による高血圧
■粥状動脈硬化症による高血圧
■腎動脈の血栓による高血圧
■腎外からの腎動脈圧迫による高血圧
■原発性アルドステロン症による高血圧
■甲状腺機能亢進症(バセドウ病)による高血圧
■甲状腺機能低下症による高血圧
■副腎皮質ステロイドによる高血圧
■非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)による高血圧
■グリチルリチン製剤による高血圧
■免疫抑制剤(カルシニューリン阻害薬)による高血圧
■腎性貧血改善薬による高血圧
■性ホルモン製剤による高血圧
■三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、セロトニン・ノルアドレナリン取り込み阻害薬(SNRI)による高血圧
■悪性腫瘍治療薬(血管新生阻害薬)による高血圧
■妊娠による高血圧
■睡眠時無呼吸症候群(SAS)による高血圧

▼プレミアムプランは初月無料で全記事読み放題▼

  • 看護実習で使える記事300本以上(情報収集/アセスメント/看護診断/標準看護計画/疾患別看護計画)
  • Word・Excelのダウンロード特典/限定記事も利用できます
  • 初月無料は「プレミアムプラン」のみ(翌月から月額400円)

プレミアムプランは初月無料全記事読み放題!
※初月無料はプレミアムプランのみ(翌月から月額400円)

実習で迷ったら、まずはここ(入口)から。
[プレミアム入会ページ/学習の地図(最短ルート)]

なんでなんだナーシング note メンバーシップ
タイトルとURLをコピーしました