【アセスメントの視点】あっという間にすぐ書ける!発熱のらくらくアセスメント

症状別アセスメント

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体温・発熱とは

人の身体は体温を一定に保つようにできており、この能力を体温の恒常性と言う。体温の恒常性は体内の熱の産生と熱の放散のバランスの調整により保持される。熱の産生が熱の放散を上回ると体温が上昇し、熱の産生が熱の放散を下回ると体温が低下する。

熱産生の種類
熱産生には代謝、ふるえ、非ふるえの3つがある。

1.代謝熱産生:糖や脂質などの栄養素が細胞内で酸化され、その過程で熱を産生する。以下の因子が関与する。
・基礎代謝:生きていくために必要な最小限度の新陳代謝のこと。
・ホルモンの作用:甲状腺ホルモン(T3、T4)は細胞の代謝を促進する。副腎髄質ホルモン(アドレナリン=エピネフリン)は糖代謝を促進する。
※アドレナリンとエピネフリンは同じホルモンで呼び方の違いは言語の起源による。
・筋肉運動:運動により代謝が増大する。
・温度効果:体温が上がると代謝率が増加し熱産生がさらに促進される。

2.ふるえ熱産生:骨格筋が不随意に反復収縮することで熱を産生する。寒冷刺激に対する初期の体温調節反応。

3.非ふるえ熱産生:主に褐色脂肪組織で行われ、糖や脂質のエネルギーがATP合成を介さず熱として放出される。寒冷馴化により促進される。

熱放散の種類
熱放散には輻射、伝導、対流、蒸発の4つがある。

1.輻射:体温が赤外線として周囲に放出されること。
2.伝導:身体の熱が皮膚に接触している物体や空気に直接伝わって逃げること。
3.対流:皮膚の表面を流れる空気が熱を奪い、空気中に拡散すること。
4.蒸発:水分が皮膚の表面から気化し、気化熱によって体表の熱が奪われること。

※輻射・伝導・対流は周囲の温度が体温より高いと効果がなくなる。

体温が変動する要因
体温が変動する要因は様々で以下が挙げられる。
・年齢:基礎代謝や体温調節機能に影響する。新生児・乳児は高く、成人では安定し、高齢者では低くなる傾向がある。
・性別:成人女性は月経周期に伴い体温が変動する。
・個人差:ホルモン(内分泌系)や自律神経機能の違いにより体温に個人差が生じる。
・日内変動:1日で約1℃以内の変動があり、早朝が最低体温で午後から夕方にかけて最高体温となる。
・季節的変動:気温により変動する。気温が高い時期は体温もやや高くなり、気温が低い時期はやや低くなる。
・食事:食後に軽度に体温が上昇する傾向がある。
・飲酒:アルコールにより代謝が亢進し体温が上昇する。
・運動:運動により代謝が亢進し体温が上昇する。
・入浴:温熱刺激により体温が上昇するが、入浴後は血管拡張と発汗により放熱が促進され体温はやや低下する。
・精神的興奮:アドレナリンの作用により体温が上昇する。

体温の調節
体温の調節(体熱平衡)は体温調節中枢によってコントロールされている。体温調節中枢は視床下部にあり、前部は温中枢(熱放散を促進する役割)、後部は冷中枢(熱産生を促進する役割)に分かれている。この2つの中枢のバランスによって体温の設定値(セットポイント)が定まり、体温がセットポイントと等しくなるように、熱産生と熱放散の割合が調整される。

体温の日内変動
体温の日内変動とは、早朝が最も低く、午後から夕方にかけて体温が高くなるという生理的な体温変動であり、通常は約1℃以内の範囲で推移する。

発熱
発熱とは、体温が通常の日内変動の範囲を超えて上昇することをいう。また、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」では、「体温が37.5℃以上を呈した状態」を発熱と定義している。

腋窩温による発熱の区分
腋窩温による発熱は以下のように区分されている。ただし、日内変動や個人差などの生理的要因により、37.0℃を超えていても異常とは限らず、平熱と判断されることもある。
・平熱:36.0~36.9℃
・微熱:37.0~37.9℃
・中等度熱:38.0~38.9℃
・高熱:39℃以上

熱型
熱型とは、疾患や病態に応じて発熱のパターンに特有の傾向が現れることをいう。熱型には稽留熱、弛張熱、間欠熱などがあり、診断や経過観察の参考になる。なお、明らかなパターンが認められない場合は「不定熱」と分類される。

※具体的な熱型については以下のサイトを参照してください。
発熱に関するQ&A 看護roo!

①発熱、②発熱の程度、③熱型はそれぞれ異なるものであると意識すると理解しやすい。
例:昨日からAさんの体温が、
①37.5℃を超え、発熱しています。
②日中は37.5℃で微熱ですが、夜間には38.5℃と中等度熱になっています
③熱型は弛張熱です。

発熱に必須の情報収集項目

発熱が起こる原因や誘因

発熱してから現在までの経過(体温の経過、発熱した時間、発熱の程度、熱型)

発熱以外の症状

バイタルサイン

発熱の随伴症状の有無と程度(熱感、発汗、頻脈、呼吸数の増加、咳嗽、食欲不振、悪心・嘔吐、腹痛、下痢、脱水、頭痛、倦怠感など)

発熱に関する検査データ(血液検査、血液培養検査、尿検査、胸部レントゲン、腹部超音波検査など)

発熱に対する治療の有無(安静療法、薬物療法、輸液療法など)

発熱に対する治療の効果

発熱に対する患者や家族の反応

発熱のアセスメント定型文

アセスメントの基本的な流れと書き方

アセスメントの基本的な流れと書き方は次のようになります。
1.患者の状態の判断
【患者の情報】から患者の状態は適切ではない・異常である(正常ではない)。

2.根拠の記載
判断した患者の状態は【判断した根拠や理由】によって生じている。

3.実在型問題の記載
現在、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】により【実在型】の看護問題が起きており、【実在型】の看護問題を挙げる。

現在、【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】の随伴症状により【実在型】の看護問題が起きており、【実在型】の看護問題を挙げる。

4.今後の見通し、リスク型問題の記載
今後、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】により
【リスク型】の看護問題が起きる可能性があり、【リスク型】の看護問題を挙げる。

今後、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】の随伴症状により【リスク型】の看護問題が起きる可能性があり、【リスク型】の看護問題を挙げる。

作成の方法

・1~4をつなぎ合わせてアセスメントを作成してください。
・【 】の中には具体的な内容を記入するか、項目の中から選択してください。
・( )は表現の言い換えになります。両方または使いやすい方を選択してください。

1.患者の状態の判断

■患者の状態
Aさんは【いつから】、【発熱する前、発熱時の状況を記入】となり、【発熱してから現在までの経過を記入】。現在は【いまの状態を記入】である。

検査データは【異常な検査データ、画像などの結果を記入】である。

■介入の有無
発熱に対しては【治療、ケアなどの対策】が行われている。

発熱に対しては【治療、ケアなどの対策】が行われているが効果は十分ではない。

発熱に対しては【治療、ケアなどの対策】が行われており【効果を具体的に記入】。

■患者・家族の思い、認識
Aさん(Aさんの家族)は発熱について【患者の反応(家族の反応)】と【話している、認識している

■適切・不適切の判断
(ゴードンの場合)
以上の情報から、発熱および随伴症状が認められる現在の状況は適切な状態とは言えない。

(ヘンダーソンの場合)
以上の情報から、発熱および随伴症状が認められる現在の状況は異常な状態である。(正常な状態とは言えない。)

2.根拠の記載

■細菌感染症による発熱

体内に細菌が侵入すると自然免疫系によって異物として認識される。これにより単球やマクロファージが活性化して貪食が始まる。貪食による細菌の破壊によりエンドトキシン(内毒素)が放出されてさらに免疫系が刺激される。これらの過程や刺激により炎症性サイトカインが産生・放出される。放出された炎症性サイトカインは、視床下部の血管内皮細胞に作用してプロスタグランジンを産生する。プロスタグランジンは体温調節中枢を刺激して体温設定温度(セットポイント)を上昇させる。この結果、悪寒戦慄が起きて骨格筋が不随意に反復収縮して体温が上昇する。この発熱はこれらの機序により生じている。

■ウイルス感染症による発熱

体内にウイルスが侵入すると自然免疫系によって異物として認識される。これにより単球やマクロファージが活性化しウイルスの貪食に伴って炎症性サイトカインが産生・放出される。また、ウイルスにより細胞が障害されたり、T細胞がウイルスに感染した細胞を破壊する過程でも炎症性サイトカインの産生・放出が促進される。放出された炎症性サイトカインは、視床下部の血管内皮細胞に作用してプロスタグランジンを産生する。プロスタグランジンは体温調節中枢を刺激して体温設定温度(セットポイント)を上昇させる。この結果、悪寒戦慄が起きて骨格筋が不随意に反復収縮して体温が上昇する。この発熱はこれらの機序により生じている。

■脳実質の障害による発熱

【脳出血、脳腫瘍、脳外傷など】により脳が障害されると、障害部位に炎症が起こり脳内の免疫細胞(ミクログリア、単球、マクロファージ)が刺激されて炎症性サイトカインが産生・放出される。この炎症性サイトカインが、視床下部の血管内皮細胞に作用してプロスタグランジンを産生する。プロスタグランジンは体温調節中枢を刺激して体温設定温度(セットポイント)を上昇させる。この結果、悪寒戦慄が起きて骨格筋が不随意に反復収縮して体温が上昇する。この発熱はこれらの機序により生じている。

その他の根拠一覧

■脳神経、自律神経の障害による発熱
■視床下部への直接的な刺激による発熱
■広範囲の梗塞による発熱
■甲状腺ホルモンの分泌亢進による発熱
■甲状腺ホルモンの急激な分泌による発熱
■副腎皮質ホルモンの急激な不足による発熱
■自己抗体に伴う発熱
■Ⅲ型アレルギーによる発熱
■サイトカインストームによる発熱
■腫瘍熱による発熱
■抗がん剤、放射線治療の副作用(非感染性)による発熱
■薬剤熱による発熱
■悪性症候群による発熱
■悪性高熱症による発熱
■侵襲熱による発熱
■吸収熱による発熱
■熱中症による発熱
■うつ熱(体温調節機能や発汗機能が未発達)による発熱
■うつ熱(体温調節機能や発汗機能の低下)による発熱
■心因性要因による発熱
■不明熱

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