<定義>
非効果的健康管理とは、疾患によって医療処置・症状の管理・身体機能の維持などを必要とする患者やその家族が必要な処置やケアを行う事が困難あるいは不十分であり、望む生活ができない状態を言う。
<「非効果的健康維持」と「非効的健康管理」の使い方の違い>
「非効果的健康維持」は喫煙、運動不足や過食・偏食などの不健康な生活習慣を変えたいと願っている個人に用いられ、発病を予防するための1次予防の場合に使用する。
「非効的健康管理」は疾患や健康管理に関する教育が必要な患者に使用する。
<貧血>
貧血とは体内の赤血球が足りない状態であり、疾患名ではない。
貧血を起こす原因は様々で、その原因ごとに疾患名がある。
疾患の例と原因
・鉄欠乏性貧血:何らかの原因で体内の鉄が欠乏する事により起こる
・免疫性溶血性貧血:赤血球自体の異常により起こる
・再生不良性貧血:免疫機序により造血幹細胞が障害され起こる
・巨赤芽球性貧血:吸収の障害や受容の増大によるビタミンB12あるいは葉酸の欠乏により起こる
<看護計画>
疾患:
既往歴:
治療内容:
目標
自己管理に必要な知識や技術を習得できる
問題点に気づき対処できる
必要な支援を受けられる
O-P
1.ADL・IADL
2.認知力、理解力
3.検査データ
-血液検査:赤血球(RBC)、ヘモグロビン(Hb)、ヘマトクリット(Ht)、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球血色素(MCH)、網赤血球数、血液像、血小板(PLT)、血清鉄(Fe)、白血球(WBC)
-検尿、検便
-胸部レントゲン(心拡大の確認)
-心電図
-骨髄穿刺
-消化管造影
4.バイタルサイン
5.自覚症状の有無、内容
6.貧血症状、程度
(参考値:ヘモグロビン(Hb)量8.0g/dL以下)
-皮膚、粘膜蒼白
-顔面蒼白
(参考値:ヘモグロビン(Hb)量7.0g/dL以下)
-頻脈
-動悸
-頻呼吸、息切れ
-イライラ
-集中力低下
(参考値:ヘモグロビン(Hb)量6.0g/dL以下)
-頭重感
-頭痛
-めまい
-立ち眩み
(参考値:へモグロビン(Hb)量5.0g/dL以下)
-易疲労感
-全身倦怠感
(参考値:へモグロビン(Hb)量4.0g/dL以下)
-心雑音
-狭心痛
-食欲不振
-悪心
-下痢
-便秘
(参考値:ヘモグロビン(Hb)量3.0g/dL以下)
-発熱
-浮腫
-呼吸困難
(参考値:ヘモグロビン(Hb)量2.0g/dL以下)
-心不全
(参考値:へモグロビン(Hb)量1.0g/dL以下)
-昏睡
-疾患別症状(代表的な例を記載)
・さじ状爪、舌炎、口角炎、嚥下障害、氷食症(鉄欠乏性貧血)
・黄疸(溶血性貧血)
・出血傾向、発熱(再生不良性貧血)
・消化器症状、神経症状(巨赤芽球性貧血)
7.食事摂取量、食事内容
8.嗜好、偏食の有無
9.体重、体重の変化
10.排便状況
11.活動量
12.睡眠状況
13.服薬状況
14.服薬管理状況
15.薬物療法の効果
16.薬物療法の副作用の有無、程度
17.疾患について誰にどの様に説明されているか
18.疾患、治療に対する受け止め方
19.疾患についての理解
20.治療についての理解
21.不安に思っていること
22.ストレスの有無、対処方法
23.セルフマネジメントの内容
-セルフマネジメントに対する理解度
-患者が行っている行動が正しいか
24.生活状況
-1日の過ごし方
-食生活(回数など)
-喫煙や飲酒の有無
-運動量、運動習慣
-自宅、地域の環境
-職業
-経済状況
25.家族のサポートの有無、状況
26.家族の知識、理解
27.ソーシャルサポート(社会的支援)の活用状況
-情緒的サポート:共感や愛情の提供
-道具的サポート:形のある物やサービスの提供
-情報的サポート:問題の解決に必要なアドバイスや情報の提供
-評価的サポート:肯定的な評価の提供
T-P
1.身体が冷えない(保温される)様に室温や掛け物の管理を行う
2.ADLに合わせて環境を調整する
3.転倒しない様に環境を調整する
※コピペでかんたん立案!身体損傷リスク状態:転倒転落の看護計画を参照
4.患者の思いに寄り添い、尊重した態度で接する
5.患者の思い、不安に思っている事を傾聴する
6.患者の発言、表情や行動で気になった事は理由を確認する
7.ADLに応じて必要な動作を介助する
-できる事は自身で行う様に声掛けする
-できない事は介助する
8.倦怠感や疲労感が強い場合は安静を促す
9.患者の状態や安静度に応じて以下のケアを選択する
・安静
・関節可動域訓練
・マッサージ
・筋力増強運動
・PT・OTと連携し、患者に合わせた適切な運動が行える様に調整する
・ADL訓練
10.栄養指導が受けられる様に調整する
11.確実に服薬できる様に内服管理を行う
12.内服を自己管理できる様に方法を検討する
13.輸血を行う場合、輸血の管理と副作用の観察と対応を行う
14.患者の状態や症状に応じたケアを選択し実施する
15.気分転換できる方法を検討する
※コピペでかんたん立案!気分転換活動不足(成人)の看護計画を参照
16.疾患に対する注意点や自己管理の方法についてのパンフレットを作成する
17.家族が同一の知識を得られ対応できる様に、 家族全員に説明できる場をつくる
18.在宅医療が受けられる様に多職種や地域と連携する
19.退院前カンファレンスを開催する
-患者や家族がニーズや不安な事などを表出できるように支援し、必要時は代弁する
-退院指導の内容を地域の支援者に伝える
20.ソーシャルサポート(社会的支援)を紹介する
E-P
1.倦怠感や疲労感が強い場合は無理をせずに安静にして過ごす様に説明する
2.状態に応じて活動や運動を制限する必要がある事を説明する
3.貧血についてパンフレットを用いて以下説明する
-貧血とは、現在の病状
-貧血に対する治療と副作用
-日常生活の注意点
・服薬管理の必要性
・食事療法について
・保温の必要性
・休息の必要性
・転倒転落リスク
4.かかりつけ医と定期受診の必要性について説明する
5.ソーシャルサポート(社会的支援)の活用方法について説明する
6.災害時の対応について説明する
以下、貧血についての参考サイト(外部サイト)
貧血とは
貧血 Medical Note
貧血の検査
貧血の看護
貧血症状を訴える患者の観察項目と看護計画・ケアのポイント ナースのヒント
日常生活の注意点
化学療法中の副作用への対処-感染・出血・貧血への対処- 兵庫県立大学大学院看護学研究科/地域ケア開発研究所
がん化学療法患者のセルフケアにおける貧血アセスメントツールを活用した看護ケアの有用性 高山京子 他(論文 PDF)
貧血 もっと詳しく~がんの治療を始めた人に、始める人に~ がん情報サービス
疾患
溶血性貧血の症状・診断・治療 医療法人社団こころみ こころみクリニック