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排尿困難・尿閉を評価する領域
ゴードンの機能的健康パターン:排泄パターン
ヘンダーソンの14の基本的欲求:身体の老廃物を排泄する
排尿困難・尿閉とは
排尿困難とは、尿意があるにもかかわらず、排尿の開始に時間がかかる、尿線が弱い、十分な排尿のために腹圧をかける必要がある状態をいう。
排尿困難の症状
排尿困難の症状は大きく分けて「排尿症状」と「排尿後症状」の2つに大別される。
1.排尿症状
・排尿遅延(遷延性排尿):排尿しようと試みても尿がすぐに出始めない状態。
・腹圧排尿:膀胱収縮だけでは尿が出ず、腹圧をかけないと尿が出ない、または持続的に出せない状態。
・尿勢低下:尿の勢いが弱く、少しずつしか出ない状態。
・尿線分割:尿線が1本にならず、複数に分かれたり散らばったりする状態。
・尿線途絶:排尿の途中で尿が途切れ、複数回に分けて排尿する状態。
2.排尿後症状
・排尿終末時滴下:排尿の終わり際に尿がポタポタと垂れる状態。
・残尿感:排尿後も膀胱に尿が残っているようなスッキリしない感覚。
尿閉とは、膀胱に尿が十分に貯留しているにもかかわらず、自力で排尿できない、または完全に排出できない状態を言う。
尿閉の分類
尿閉は主に「急性尿閉(完全尿閉)」と「慢性尿閉(不完全尿閉)」に大別される。
1.急性尿閉(完全尿閉):突然、尿がまったく排出できなくなる状態。強い下腹部痛、尿意切迫感、膀胱緊満などが特徴である。
2.慢性尿閉(不完全尿閉):徐々に進行し、排尿は可能だが残尿が見られる状態。自覚症状に乏しいことが多く、溢流性失禁が起こってはじめて異常に気づくこともある。
排尿のしくみについては、以下を参照してください。
排尿はどのような仕組みで行われるの? 看護roo!
排尿障害に関するQ&A 看護roo!
・排尿にはどんな神経が関係しているの?
・3つの神経と排尿との関係は?
排尿困難・尿閉に必須の情報収集項目
排尿困難・尿閉の原因
排尿状況、排尿状況の変化
排尿時の自覚症状(尿意切迫感、下腹部の膨満感、下腹部痛、排尿遅延、腹圧排尿、尿勢低下、尿線分裂、尿線途絶、排尿時痛、残尿感、血尿など)
排尿日誌(飲水量、尿量、性状)
下腹部の状態
体重の変化
バイタルサイン
ADL
意識レベル
認知機能
服薬状況
排尿困難・尿閉の随伴症状の有無と程度(頻尿・夜間頻尿、尿失禁、下腹部痛、排尿時痛、腰背部痛、発熱、不安、イライラ感など)
排尿困難・尿閉に関する検査データ(残尿測定、尿検査(尿中白血球、亜硝酸塩、尿潜血など)、尿培養検査、血液検査(BUN、クレアチニン、WBC、CRP、PSA(男性の場合)など)、腹部超音波検査、尿流測定など)
排尿困難・尿閉に対する治療の有無(間欠導尿・清潔間欠導尿(CIC)、膀胱留置カテーテル、膀胱瘻、薬物療法、生活指導、手術療法など)
排尿困難・尿閉に対する治療の効果
排尿困難・尿閉に対する患者や家族の反応
排尿困難・尿閉のアセスメント定型文
アセスメントの基本的な流れと書き方
アセスメントの基本的な流れと書き方は次のようになります。
1.患者の状態の判断
【患者の情報】から患者の状態は適切ではない・異常である(正常ではない)。
2.根拠の記載
判断した患者の状態は【判断した根拠や理由】によって生じている。
3.実在型問題の記載
現在、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】により【実在型】の看護問題が起きており、【実在型】の看護問題を挙げる。
現在、【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】の随伴症状により【実在型】の看護問題が起きており、【実在型】の看護問題を挙げる。
4.今後の見通し、リスク型問題の記載
今後、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】により
【リスク型】の看護問題が起きる可能性があり、【リスク型】の看護問題を挙げる。
今後、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】の随伴症状により【リスク型】の看護問題が起きる可能性があり、【リスク型】の看護問題を挙げる。
作成の方法
・1~4をつなぎ合わせてアセスメントを作成してください。
・【 】の中には具体的な内容を記入するか、項目の中から選択してください。
・( )は表現の言い換えになります。両方または使いやすい方を選択してください。
アセスメント作成時の注意点
定型文をそのまま記入する際は、排尿の状況に応じて排尿困難か尿閉かを選択して記入してください。
排尿困難の場合:Aさんは2025年9月から、排尿困難が出現し~…。
尿閉の場合:Aさんは2025年9月から、尿閉が出現し~…。
1.患者の状態の判断
■患者の状態
Aさんは【いつから】、【排尿困難・尿閉が始まった時の状況を記入】となり、【排尿困難・尿閉が生じてから現在までの経過を記入】。現在は【排尿困難・尿閉の詳しい状況を記入】である。
検査データは【異常な検査データ、画像などの結果を記入】である。
■介入の有無
排尿困難・尿閉に対しては【治療、ケアなどの対策】が行われている。
排尿困難・尿閉に対しては【治療、ケアなどの対策】が行われているが効果は十分ではない。
排尿困難・尿閉に対しては【治療、ケアなどの対策】が行われており【効果を具体的に記入】。
■患者・家族の思い、認識
Aさん(Aさんの家族)は排尿困難・尿閉について【患者の反応(家族の反応)】と【話している、認識している】。
■適切・不適切の判断
(ゴードンの場合)
以上の情報から、排尿困難・尿閉とそれに伴う弊害が認められる現在の状況は適切な状態とは言えない。
(ヘンダーソンの場合)
以上の情報から、排尿困難・尿閉とそれに伴う弊害が認められる現在の状況は異常な状態である。(正常な状態とは言えない。)
2.根拠の記載
■大脳レベルの障害による排尿困難・尿閉
【脳出血、脳梗塞、脳炎、脳腫瘍、パーキンソン病、多系統萎縮症など】により、大脳の上位排尿中枢から脊髄中枢の下位排尿中枢に至る抑制経路が障害されると少量の尿の貯留でも排尿筋が不随意に収縮する無抑制収縮が起こる。一方で、外尿道括約筋が過剰に収縮してしまう排尿筋括約筋協調不全が起こり尿勢低下や残尿が生じる。この排尿困難・尿閉はこれらの機序により生じている。
※排尿筋括約筋協調不全における外尿道括約筋の動きは「過剰に収縮する」または「十分に弛緩しない」と表現できます。
■脊髄レベルの障害(仙髄神経、馬尾神経より上位の損傷)による排尿困難・尿閉
【脊髄梗塞、脊髄腫瘍、脊髄損傷、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、二分脊椎、多発性硬化症など】により仙髄神経や馬尾神経より上位の脊髄が障害されると少量の尿の貯留でも排尿筋が不随意に収縮する無抑制収縮が起こる。一方で、外尿道括約筋が過剰に収縮してしまう排尿筋括約筋協調不全が起こり尿勢低下や残尿が生じる。この排尿困難・尿閉はこれらの機序により生じている。
※排尿筋括約筋協調不全における外尿道括約筋の動きは「過剰に収縮する」または「十分に弛緩しない」と表現できます。
■脊髄レベルの障害(仙髄神経、馬尾神経の損傷)による排尿困難・尿閉
【脊髄梗塞、脊髄腫瘍、脊髄損傷、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、二分脊椎、多発性硬化症など】により仙髄神経や馬尾神経が障害されると仙髄の排尿中枢からの膀胱を収縮させる指令(信号)が伝わらなくなり、膀胱は弛緩したままとなる。また、膀胱からの感覚も脳に伝わらないため尿意が鈍化または消失し、膀胱に尿が貯留しても排尿反射が起こらなくなる。この排尿困難・尿閉はこれらの機序により生じている。
その他の根拠一覧
■末梢神経レベルの障害による排尿困難・尿閉
■尿路感染症による排尿困難・尿閉
■膀胱出口の狭窄による排尿困難・尿閉
■尿路結石による排尿困難・尿閉
■前立腺炎による排尿困難・尿閉
■前立腺肥大症による排尿困難・尿閉
■前立腺がんによる排尿困難・尿閉
■子宮筋腫による排尿困難・尿閉
■子宮がんによる排尿困難・尿閉
■糖尿病神経障害による排尿困難・尿閉
■抗コリン薬による排尿困難・尿閉
■副作用としての抗コリン作用による排尿困難・尿閉
■定型抗精神病薬、三環系抗うつ薬による排尿困難・尿閉
■筋弛緩薬による排尿困難・尿閉
■オピオイド鎮痛薬による排尿困難・尿閉
■ドパミン作用薬による排尿困難・尿閉
■ 術後尿閉
■ カテーテルによる排尿困難・尿閉
■便秘による排尿困難・尿閉
■加齢による排尿困難・尿閉
■妊娠による排尿困難・尿閉
■分娩後の排尿困難・尿閉
■女性ホルモン(エストロゲン)の欠乏による排尿困難・尿閉
■骨盤臓器脱による排尿困難・尿閉
■特発性低活動膀胱による排尿困難・尿閉
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