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呼吸困難(息苦しさ)を評価する領域
ゴードンの機能的健康パターン:活動-運動パターン
ヘンダーソンの14の基本的欲求:正常に呼吸する
呼吸困難(息苦しさ)とは
呼吸困難(息苦しさ)とは、呼吸を行う際に「息がしにくい」、「十分に吸えない」などと感じる不快な感覚や苦しさを言う。
呼吸困難(息苦しさ)は主観的な症状であり、同じ状態であっても呼吸困難(息苦しさ)を感じるかどうかは個人による。
呼吸のしくみについては以下のサイトを参照してください。
呼吸は、年齢、体格、運動、入浴、睡眠、環境の変化、痛み、精神的緊張など様々な因子の影響を受けて変動する。これらの因子は、呼吸中枢や呼吸筋の働き、代謝の変化、酸素摂取量の増減などを通じて呼吸数や呼吸の深さに影響を与える。
呼吸の異常に対する表現は様々である。
以下の①~④はそれぞれ異なる視点であるため、分類して整理すると理解しやすい。また、呼吸困難は「主観的な症状」であり、呼吸不全(動脈血酸素分圧の低下などの客観的所見)とは必ずしも一致しない点にも注意すること。
①換気障害のタイプ(閉塞性、拘束性、混合性など)
②呼吸困難の出現様式(突発性、発作性、慢性など)
③呼吸相(吸気性・呼気性・混合性など)
④異常呼吸パターン(陥没呼吸、クスマウル呼吸、チェーン・ストークス呼吸など)
例:この呼吸困難は
①気管支喘息による閉塞性換気障害である。
②夜間は呼吸に異常は見られなかったが、7時から症状が出現し、気管支喘息による発作性の呼吸困難が出現している。
③気管支喘息による呼気性の呼吸困難である。
④息を吸う時に鎖骨上窩が陥没しており、気管支喘息による陥没呼吸が見られている。
換気障害の区分については以下のサイトを参照してください。
呼吸機能検査 看護roo!
呼吸困難の種類
1.出現のしかたによる分類
・突発性呼吸困難:大葉性肺炎、肺塞栓症、自然気胸、胸膜炎、急性心不全など
・発作性呼吸困難:気管支喘息、過換気症候群など
・慢性呼吸困難:慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、間質性肺炎、慢性心不全など
2.呼吸相による分類
・吸気性呼吸困難:上気道狭窄、窒息、神経筋疾患(重症筋無力症、ALS)など
・呼気性呼吸困難:気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など
・混合性呼吸困難:肺炎、肺水腫、間質性肺炎、気胸、胸膜炎、アナフィラキシーショックなど
3.スケールによる分類
・ヒュー・ジョーンズ(Hugh-Jones)の分類
・NYHA(New York Heart Association)分類
・MRC(Medical Research Council)息切れスケール
・VAS(Visual Analogue Scale)
異常呼吸の種類
1.呼吸回数の異常
・頻呼吸(25回/分以上):発熱、呼吸性アルカローシス、呼吸不全(代償性)、肺気腫(初期・中期)、肺線維症、心不全
・徐呼吸(9回/以下):麻酔、鎮痛剤、睡眠薬の過剰使用、頭蓋内圧亢進、脳幹障害、肺気腫(末期)
・無呼吸:睡眠時無呼吸症候群、呼吸筋麻痺(ギランバレー症候群、ALS)、肺気腫(末期)、呼吸停止(心肺停止)
2.換気量(深さ)の異常
・過換気、過呼吸:低酸素血症、肺水腫、間質性肺炎、肺塞栓、気管支喘息、代謝性アシドーシス、糖尿病ケトアシドーシス、甲状腺機能亢進症、過換気症候群など
・低換気:脳出血、脳梗塞、脳炎、脳腫瘍、髄膜炎、脊髄腫瘍、脊髄損傷、重症筋無力症、ALS、関節リウマチ、甲状腺機能低下症など
3.周期的な異常
・クスマウル呼吸:糖尿病ケトアシドーシス、尿毒症による代謝性アシドーシスの代償反応
・チェーン・ストークス呼吸:頭蓋内圧亢進、脳幹障害、重症心不全、アルコール中毒、死の直前
・ビオー呼吸:脳幹障害、頭蓋内圧亢進、脳炎、脳腫瘍
4.呼吸パターンの異常
・奇異呼吸:開放性気胸、胸壁損傷
・シーソー呼吸:気道閉塞、重症喘息
・起坐呼吸:うっ血性心不全、気管支喘息、細気管支炎、COPDの進行例
5.努力呼吸の兆候
・鼻翼呼吸:肺炎、細気管支炎、気胸、死の直前
・下顎呼吸:重度の意識障害、死の直前
・陥没呼吸:小児の気道閉塞、重度の喘息、呼吸筋麻痺、死の直前
呼吸困難(息苦しさ)に必須の情報収集項目
呼吸困難(息苦しさ)が起こる原因、誘因
呼吸困難(息苦しさ)が出現するタイミング(安静時、労作時、夜間など)
呼吸状態(呼吸パターン、異常呼吸の有無・種類、喘鳴の有無、胸郭の動き、肺音など)
呼吸困難(息苦しさ)の随伴症状の有無と程度(チアノーゼ、冷汗、喘鳴、笛声音、咳嗽・痰、胸部圧迫感、胸痛、頚部静脈怒張、不安、恐怖など)
意識レベル、変化の有無
バイタルサイン(特に呼吸数、SpO2、脈拍数)
ADL
呼吸困難に対する評価スケール(ヒュー・ジョーンズの分類、NYHA分類、MRC息切れスケール、VASなど)
呼吸困難(息苦しさ)に関する検査データ(動脈血ガス分析、血液検査(RBC、Hb、Htなど)、胸部レントゲン、胸部CT、肺機能検査、肺シンチグラフィー、気管支鏡、心電図、心臓超音波検査など)
呼吸困難(息苦しさ)に対する治療の有無(安静療法、薬物療法、酸素療法、人工呼吸療法、呼吸リハビリテーションなど)
呼吸困難(息苦しさ)に対する治療の効果
呼吸困難(息苦しさ)に対する患者や家族の反応
呼吸困難(息苦しさ)のアセスメント定型文
アセスメントの基本的な流れと書き方
アセスメントの基本的な流れと書き方は次のようになります。
1.患者の状態の判断
【患者の情報】から患者の状態は適切ではない・異常である(正常ではない)。
2.根拠の記載
判断した患者の状態は【判断した根拠や理由】によって生じている。
3.実在型問題の記載
現在、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】により【実在型】の看護問題が起きており、【実在型】の看護問題を挙げる。
現在、【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】の随伴症状により【実在型】の看護問題が起きており、【実在型】の看護問題を挙げる。
4.今後の見通し、リスク型問題の記載
今後、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】により
【リスク型】の看護問題が起きる可能性があり、【リスク型】の看護問題を挙げる。
今後、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】の随伴症状により【リスク型】の看護問題が起きる可能性があり、【リスク型】の看護問題を挙げる。
作成の方法
・1~4をつなぎ合わせてアセスメントを作成してください。
・【 】の中には具体的な内容を記入するか、項目の中から選択してください。
・( )は表現の言い換えになります。両方または使いやすい方を選択してください。
1.患者の状態の判断
■患者の状態
Aさんは【呼吸困難(息苦しさ)が出現したタイミングを記入】、【呼吸困難(息苦しさ)がはじまった時の状況を記入】となり、【呼吸困難(息苦しさ)がはじまってから現在までの経過を記入】。現在は【いまの詳しい状態を記入】である。
検査データは【異常な検査データ、画像などの結果を記入】である。
■介入の有無
呼吸困難(息苦しさ)に対しては【治療、ケアなどの対策】が行われている。
呼吸困難(息苦しさ)に対して【治療、ケアなどの対策】が行われているが効果は十分ではない。(呼吸困難(息苦しさ)は続いている。)
呼吸困難(息苦しさ)に対して【治療、ケアなどの対策】が行われており【効果を具体的に記入】。
■患者・家族の思い、認識
Aさん(Aさんの家族)は呼吸困難(息苦しさ)について【患者の反応(家族の反応)】と【話している、認識している】。
■適切・不適切の判断
(ゴードンの場合)
以上の情報から、呼吸困難(息苦しさ)および随伴症状が認められる現在の状況は適切な状態とは言えない。
(ヘンダーソンの場合)
以上の情報から、呼吸困難(息苦しさ)および随伴症状が認められる現在の状況は異常な状態である。(正常な状態とは言えない。)
2.根拠の記載
■脳の疾患による呼吸困難(息苦しさ)
【脳出血、脳梗塞、脳炎、脳腫瘍など】により延髄や橋にある呼吸中枢のニューロンが障害されると呼吸中枢から呼吸筋への神経伝達が不安定になり、正常な呼吸リズムや換気量を調整できなくなる。これにより換気不全が生じ、二酸化炭素の蓄積や酸素不足を来す。この呼吸困難(息苦しさ)はこれらの機序により生じている。
■頭蓋内圧亢進による呼吸困難(息苦しさ)
頭蓋内圧亢進により延髄や橋にある呼吸中枢が圧迫されると、正常な呼吸リズムが乱れて換気量が低下する。これにより二酸化炭素が蓄積して呼吸中枢が刺激され、初期の段階では呼吸運動が過剰に促進される。また、脳灌流圧の低下による脳虚血により酸素不足となり、嫌気性代謝が亢進して乳酸が蓄積し、代謝性アシドーシスが生じる。これにより呼吸中枢が再度刺激されて呼吸運動がさらに亢進する。この呼吸困難(息苦しさ)はこれらの機序により生じている。
※頭蓋内圧亢進が進行すると、呼吸運動の亢進の後に呼吸抑制や不規則呼吸が現れます。
■呼吸筋の麻痺による呼吸困難(息苦しさ)
脊髄損傷により横隔膜や肋間筋などの呼吸筋が麻痺し、胸郭運動が低下することで換気が制限されて酸素の取り込みが不十分となる。これにより血中酸素分圧の低下と二酸化炭素分圧の上昇によって呼吸中枢が刺激され呼吸運動が促進される。この呼吸困難(息苦しさ)はこれらの機序により生じている。
その他の根拠一覧
■呼吸筋の筋力低下による呼吸困難(息苦しさ)
■気道の狭窄による呼吸困難(息苦しさ)
■細気管支の狭窄による呼吸困難(息苦しさ)
■肺胞の弾力性の低下による呼吸困難(息苦しさ)
■肺の過伸展による呼吸困難(息苦しさ)
■肺の伸展性低下による呼吸困難(息苦しさ)
■肺の虚脱による呼吸困難(息苦しさ)
■血栓(肺)による呼吸困難(息苦しさ)
■右心不全(胸水)による呼吸困難(息苦しさ)
■右心不全(腹水)による呼吸困難(息苦しさ)
■左心不全による呼吸困難(息苦しさ)
■慢性心不全による呼吸困難(息苦しさ)
■腹部の圧迫による呼吸困難(息苦しさ)
■代謝性アシドーシスの代償性呼吸による呼吸困難(息苦しさ)
■発熱による呼吸困難(息苦しさ)
■低血圧による呼吸困難(息苦しさ)
■貧血による呼吸困難(息苦しさ)
■出血による呼吸困難(息苦しさ)
■筋力低下による活動時の呼吸困難(息苦しさ)
■低酸素血症による呼吸困難(息苦しさ)
■心因性要因による呼吸困難(息苦しさ)
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