看護研究のテーマを探そう!


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なんでなんだナーシングの計画は以下の様な流れになっています。計画を調べる際にご活用ください。


今回は1.看護研究のテーマを探すについて深堀りします。

 

普段働いている時に感じる疑問や悩みから研究テーマを決める

普段働いている時に「これってどういう事なんだろう?」と抱いている問題意識や疑問を、看護研究のテーマを決める出発点とします。
日々、仕事を行う中で

・患者さんの求めるニーズは何か?

・この患者さんにどのような援助が必要なのか?

・もっとよい方法はないか?

など色々な思いや悩みはありませんか?
あなたが普段働いている中で抱いている問題意識や疑問を出発点として看護研究につなぎましょう。
看護ケアは、患者さんの状態や状況をアセスメントし「患者さんのニーズを把握する」ことから始まります。
患者さんの状態や状況をアセスメントし、ニーズを把握した上で「ニーズを満たす適切なケア」を考え、その患者さんに合った質の高いケアを提供します。
「患者さんのニーズを明らかにして新しい知識とする事」や「これまでのケアを改善したり、新しいケアを開発する事」が看護研究のテーマとなります。

 

看護研究は患者さんの看護上の問題を解決するケアにつながるものである事が大切

先ほど述べた様に「患者さんのニーズを明らかにして新しい知識とする事」(=ニーズ)は 大切な看護研究です。
しかし 、ニーズが明らかになっても、それを満たすケアがないと意味がないと思いませんか?
そこで「これまでのケアを改善したり、新しいケアを開発する事」(=シーズ)も大切な看護研究となります。
ニーズを明らかにする研究とニーズを満たすためのケアにつながる研究が合致する事が大切です。

患者のニーズ+満たすケア(シーズ)=患者の満足(患者価値)

ニーズの発見→<看護研究>←ケアの発見=ケアのコンセプト

ニーズの発見から具体化する→<看護研究>←ケアの発見から具体化=ケアのモデル

ニーズをさらに深堀りする→<看護研究>←ケアをさらに深掘りする=ケアのビジョン

ニーズとケアが合致して新しいケアが出来る=ケアの改善と開発

<ニーズ、シーズ、患者価値とは>

ニーズ:患者の欲求

シーズ:ニーズを満たすための方法や手段

患者価値:ニーズと一致するケアを提供されることによって患者さんが得られる満足感

 

普段働いている時に感じる気付きや疑問って何?それは看護研究に使えるの?

「どうして?」「なぜ?」という視点で考え、日々のケアを振り返ってみると様々な気付きや疑問が浮かび上がります。
「普段何気なく行っているケアの順番」、「なぜA患者さんにはこのケアを選択したのか?」、「多くの患者さんが同じ様な反応をする」などです。
ただし、すべての気付きや疑問が看護研究テーマとして使えるわけではないんです。
あなたの気付きや疑問は、研究ですでに明らかにされているかもしれませんし、そもそも、あなたの気付きや疑問は研究の問いなのか?というところから確認する必要があります。

次の5つの疑問について、看護研究のテーマとして適切か否か確認していきます。

1. 仕事をする時、ナース服とスクラブではどちらが仕事をしやすい?

2.褥瘡を評価するのに必要なマニュアルがないので作った方がいいかな?

3.転倒しやすい患者さんって? 転倒しやすい患者さんに適切なケアを行えば転倒を減らせるんじゃないか?

4.介護が必要となった患者さんが在宅生活に戻る際の心理プロセスはどの様なものか?

5.陥入爪を繰り返している患者に対するフットケアは再発予防にどの程度効果があるのか?

1. 仕事をする時、ナース服とスクラブではどちらが仕事をしやすい?
最初に書いた様に看護研究のテーマは「患者さんのニーズを明らかにして新しい知識とする事」や「これまでのケアを改善したり、新しいケアを開発する事」となります。
となれば、この疑問は私たちの仕事のしやすさに焦点を当てており、看護ケアには焦点を当てていない事になります。
よって、1.の疑問は看護研究のテーマとして適切でない事がわかります。

2.褥瘡を評価するのに必要なマニュアルがないので作った方がいいかな?
この疑問に関しても1.と同様の事が言えます。この疑問は私たちの業務について焦点を当てており、看護ケアには焦点を当てていない事になります。
よって、2.の疑問は看護研究のテーマとして適切でない事がわかります。

3.転倒しやすい患者さんって? 転倒しやすい患者さんに適切なケアを行えば転倒を減らせるんじゃないか?
転倒の理由は様々ですが、「患者さんが動けない時期に動きたい」、「認知面に問題がある事で、認知より感情が勝り、動いてしまった結果に起こる」など患者のニーズが絡むものです。それら患者さんに適切なケアを行えればとケアの改善につながる疑問であり看護研究に適切であると言えます。
しかし、転倒しやすい患者さんについての看護研究はこれまでにたくさんの看護師が取り上げ、すでに一定の成果が得られている事が考えられます。先行研究で解明されている事が多く、少し調べれば容易に答えを見つけられる疑問であると言えます。
となれば、「これまでのケアを改善したり、新しいケアを開発する事」には当てはまらないので、3.の疑問は看護研究のテーマとして適切でない事がわかります。

4.介護が必要となった患者さんが在宅生活に戻る際の心理プロセスはどの様なものか?
この疑問は患者さんの反応に焦点を当てています。この疑問を明らかにする事によって、退院までの間に、より適切な時期に適切な看護を提供することが出来る様になります。
この疑問は3.の転倒の疑問と比べて、看護研究のテーマとしてそれ程取り上げられていないのではないでしょうか。
よって、この疑問を明らかにする事で新たな知見が得られる可能性があり、看護研究のテーマとして適切である事がわかります。

5.陥入爪を繰り返している患者に対するフットケアは再発予防にどの程度効果があるのか?
この疑問に関しても、患者の陥入爪を繰り返したくないというニーズから、フットケアを行う事で再発予防になるか?というケアの改善に焦点を当てています。
あとはフットケアの再発予防効果についての文献がどの程度あるかによって、看護研究のテーマとして適切であるかどうかが決まります。
5.の疑問に関しては先行研究がどの程度あるかによるという結論になります。

 

看護研究につながる疑問を発見する為の方法とは?

研究につながる疑問を発見する為の方法を次に記します。

・自分の関心事を知る

・普段から問題意識を持つ

・研究論文を読む

・誰かに話してみる

 

・自分の関心事を知る
看護研究が行える領域は非常に幅が広いです。
患者さんのニーズの理解から看護の方法、看護管理、基礎的研究など多岐に渡る領域があります。
だからこそ自分の関心事を知る事で、その領域に関するあらゆる情報に対してほんの些細な事でも敏感に反応出来る様になります。
普段何気なく行っている日々のケアの中でも自分の関心がある方が情報が集まりやすく、関心があるからこそあらゆる気づきや疑問が発見できる様になります。

 

・普段から問題意識を持つ
「看護をより良くするためにはどうしたら良いんだろう?」という漠然とした思いをさらに明確にする事が重要です。
その為には日ごろ当たり前の様に思っている看護に疑問の目を向けてみて下さい。

「このケアはなんで行うの?」

「方法はこれでいいの?」

「もっと良い方法はないかな?」

など普段働いている中で、自分が行っている看護を振り返ると問題や疑問が見えてきます。

 

・研究論文を読む
研究論文を読む習慣を持つと研究的視点ははるかに進歩します。
特に学会誌を読む事で、学会誌に掲載されている質の高い論文を読む習慣が身に付き、学会誌にある研究の視点や研究方法などを学ぶ事が出来ます。さらには研究論文を読む事でその領域の最新の情報や知識を得られます。そこで、自分の疑問が研究テーマとなるのか、すでに明らかにされている疑問なのかを知る事が出来ます。研究結果に対するさらなる疑問が見えてくればそこからテーマを決める事も出来ます。

キーワード<日本 看護 学会誌 興味のある領域>で調べてみて下さい。

 

・誰かに話してみる
同期の仲間や職場の同僚との何気ない会話の中で自分の疑問に思っている事を話し合うのも一つの手です。
自分の漠然とした疑問を他の人に説明する事で、その疑問がかなり整理されるはずです。
そこに他の人からの質問を受ける事で自分の考えの不足や矛盾に気付かされる事もあります。
誰かに話してみる事で1人では思いつかない様な多角的な視点が取り入れられます。

 

テーマ選択は看護研究の第一歩です。
研究に選ばれてから探すのは大変だとは思いますが、自分の興味や看護を見つめ直すチャンスでもあります!
自分がやりたい研究が見つかるといいですね✨✨

次回は「2.看護研究のテーマを決める」を具体的に掘り下げていきたいと思います。

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