＜定義＞
非効果的健康管理とは、疾患によって医療処置・症状の管理・身体機能の維持などを必要とする患者やその家族が必要な処置やケアを行う事が困難あるいは不十分であり、望む生活ができない状態を言う。
＜「非効果的健康維持」と「非効的健康管理」の使い方の違い＞
「非効果的健康維持」は喫煙、運動不足や過食・偏食などの不健康な生活習慣を変えたいと願っている個人に用いられ、発病を予防するための1次予防の場合に使用する。
「非効的健康管理」は疾患や健康管理に関する教育が必要な患者に使用する。
＜看護計画＞
疾患：
既往歴：
治療内容：
目標
自己管理に必要な知識や技術を習得できる
問題点に気づき対処できる
必要な支援を受けられる
O-P
1.ADL・IADL
2.認知力、理解力
3.重症度分類（SLEADIスコア、その他）
4.検査データ
-血液検査（WBC、リンパ球、RBC、PLT、CRP、血沈、Hb、TP、Alb、肝機能、腎機能など）
-尿検査
-自己抗体（抗核抗体、抗DNA抗体、抗Sm抗体、抗RNP抗体、抗リン脂質抗体）
-補体値（CH50、C3、C4）
-腎生検
-皮膚生検
5.バイタルサイン
6.全身性エリテマトーデスの症状、程度
-全身症状
・発熱
・倦怠感
・易疲労感
・体重減少
-皮膚、粘膜症状
・蝶形紅斑
・円板状皮疹
・口腔粘膜潰瘍（無痛性）
・鼻腔粘膜潰瘍（無痛性）
・光線（日光）過敏症
・脱毛
・爪周囲紅斑
・凍瘡様紅斑
・レイノー現象
・手足のしびれ
-関節、筋症状
・関節炎（骨破壊を伴わない）
・関節痛
・筋肉痛
・筋力低下
-腎症状
・蛋白尿
・円柱尿
・浮腫
・糸球体腎炎（ループス腎炎）
・ネフローゼ症候群
・腎不全
-精神、神経症状（CNSループス）
・不安感
・うつ状態
・見当識障害
・幻覚
・妄想
・意識障害
・頭痛
・痙攣
・脳血管障害
・髄膜炎
・脊髄炎
-循環器症状
・頻脈
・不整脈
・心外膜炎
・心筋炎
・心内膜炎
-呼吸症状
・動悸
・息切れ、呼吸困難
・胸膜炎
・間質性肺炎
・肺高血圧
・肺胞出血
-消化器症状
・悪心
・嘔吐
・腹痛
・胸やけ
・下血
・腸管膜血管炎
・ループス腹膜炎
・ループス肝炎
・腸管虚血
-血液異常
・溶血性貧血（めまい）
・白血球減少、リンパ球減少
・赤血球減少
・血小板減少、易出血
・抗リン脂質抗体症候群
7.食事摂取量、食事内容
8.体重、体重の変化
9.排尿状況
10.排便状況
11.活動量
12.睡眠状況
13.服薬状況
14.服薬管理状況
15.薬物療法の効果
16.薬物療法（ステロイド）の副作用の有無、程度
-易感染
-不眠
-多幸症
-躁うつ状態
-満月様顔貌
-中心性肥満
-食欲不振または増進
-ざ瘡
-多毛症
-多汗
-月経異常（生理不順）
-白内障
-緑内障
-筋萎縮
-ステロイド筋症
-不整脈
-血圧上昇
-浮腫
-動脈硬化
-高脂血症
-血管炎
-血栓症
-糖尿病
-副腎不全
-消化性潰瘍
-骨粗鬆症
-大腿骨骨頭壊死（無菌性骨壊死）
17.疾患について誰にどの様に説明されているか
18.疾患、治療に対する受け止め方
19.疾患についての理解
20.治療についての理解
21.増悪因子についての理解（紫外線、ストレス、感染、疲労など）
22.不安に思っていること
23.ストレスの有無、対処方法
24.セルフマネジメントの内容
-セルフマネジメントに対する理解度
-患者が行っている行動が正しいか
25.生活状況
-1日の過ごし方
-食生活（回数など）
-喫煙や飲酒の有無
-自宅・地域の環境
-職業
-経済状況
26.家族のサポートの有無、状況
27.家族の知識、理解
28.ソーシャルサポート（社会的支援）の活用状況
-情緒的サポート：共感や愛情の提供
-道具的サポート：形のある物やサービスの提供
-情報的サポート：問題の解決に必要なアドバイスや情報の提供
-評価的サポート：肯定的な評価の提供
T-P
1.ADLに合わせて環境を調整する
2.患者の思いに寄り添い、尊重した態度で接する
3.患者の思い、不安に思っている事を傾聴する
4.患者の発言、表情や行動で気になった事は理由を確認する
5.安楽な体位の工夫を行う
6.ADLに応じて必要な動作を介助する
-できる事は自身で行う様に声掛けする
-できない事は介助する
7.病期や状態に応じて以下のケアを選択する
-安静
-運動・機能訓練
・関節可動域訓練
・マッサージ
・筋力増強運動
・PT・OTと連携し、患者に合わせた適切な運動が行える様に調整する
・ADL訓練
8.確実に服薬できる様に内服管理を行う
9.内服を自己管理できる様に方法を検討する
10.気分転換できる方法を検討する
※コピペでかんたん立案！気分転換活動不足（成人）の看護計画を参照
11.疾患に対する注意点や自己管理の方法についてのパンフレットを作成する
12.家族が同一の知識を得られ対応できる様に、 家族全員に説明できる場をつくる
13.在宅医療が受けられる様に多職種や地域と連携する
14.退院前カンファレンスを開催する
-患者や家族がニーズや不安な事などを表出できるように支援し、必要時は代弁する
-退院指導の内容を地域の支援者に伝える
15.ソーシャルサポート（社会的支援）を紹介する
E-P
1.全身性エリテマトーデス（SLE）についてパンフレットを用いて以下説明する
-全身性エリテマトーデス（SLE）とは、現在の病状
-治療方法と副作用
-増悪因子
-日常生活の注意点
・セルフマネジメントの必要性
・紫外線対策
・冷え対策
・感染予防
・ストレスケア
・食事について
・禁酒、禁煙
・軽い運動の必要性
・十分な休息の必要性
-妊娠や出産について
-がん検診の必要性
2.かかりつけ医の必要性について説明する
3.ソーシャルサポート（社会的支援）の活用方法について説明する
4.災害時の対応について説明する
以下全身性エリテマトーデス（SLE）についての参考サイト（外部サイト）
全身性エリテマトーデス（SLE）、診断
全身性エリテマトーデス（SLE）（指定難病49）難病情報センター
重症度分類
SELENA SLEDAIとは 医療者向け臨床支援アプリHOKUTO
全身性エリテマトーデス（SLE）の各評価スコアの詳細のご紹介 GSK医療者向け情報
検査について
看護師が行う血液検査の目的や内容など、よく使う7つの項目 ナースのヒント
日常生活の注意点について
日常生活における注意点 SmiLE
全身性エリテマトーデスの自己管理 日常生活における注意 SLE.jp
