患者さんの中には、創部を見ること自体に不安や恐怖を感じ、自分でケアすることが難しい方もいます。
そのような場合、看護師は無理に進めるのではなく、気持ちに寄り添いながら、少しずつ自分でケアを行えるように支援していくことが大切です。
こうした場面では、患者さんの思いに配慮しながら、安全にセルフケアへつなげるための関わりを根拠とあわせて整理して考える必要があります。
最後に、実習で整理しやすいように『観察項目』と『アセスメントの視点』に分けてまとめました。
【本日の質問】
実習で足の裏に潰瘍ができてしまった患者さんを受け持っています。
この患者さんは「傷口を見るのが怖い」とおっしゃっています。
創部に対するセルフケア不足の看護問題を挙げたのですが、本人が創部を見られない状況で、どのように関われば少しずつセルフケアへと繋げていけるのか、具体的な介入方法が分からず悩んでいます。
【本日の回答】
患者さんの中には、創部を見ることに不安や恐怖が強く、自分でケアすることが難しい方もいます。こうした場合は、無理に創部を見てもらおうとするのではなく、気持ちに寄り添いながら、少しずつセルフケアにつなげていくことが大切です。実習では、「今どこまで受け入れられるか」「どの支援なら安全に次の一歩につながるか」を整理しながら関わると考えやすくなります。
ステップ1:まずは「見たくない気持ち」を受け入れ、信頼関係を築く
何よりもその「見れない」という患者さんの気持ちを、否定せずに受け止めることがスタートです。「怖いですよね」、「見たくないお気持ち、よくわかります」と気持ちに寄り添う言葉をかけましょう。
その上で、処置が行われる際に、学生であるあなたも「勉強のために、ぜひ一緒に見させてください」とお願いして同席させてもらいましょう。この時、患者さんには「一緒に傷が良くなるお手伝いをさせてくださいね」と伝え、あなたと患者さんとチームで取り組むという姿勢を見せることが、信頼関係の第一歩になります。
ステップ2:「見る」以外の感覚を使って、情報を伝える
実習指導者さんに相談して許可が出たら、処置の際にあなたが「実況中継」をするように創部の状態を言葉で伝えてみましょう。視覚以外の感覚に働きかけることで、患者さんは少しずつ自分の体の状態をイメージできるようになります。
ステップ3:「間接的に見る」工夫を取り入れる
少しずつ関心が持てるようになってきたら、患者さんが自分でコントロールできる方法で「間接的に見る」工夫を提案してみましょう。例えば、写真に撮って見てもらうことで生々しさが少し和らぎ、客観的に状態を捉えやすくなります。
「良くなること」と「未来の生活」を結びつける
一番大切なのは、患者さん自身が「傷を治したい」と思える動機付けです。
「この傷が良くなれば、また以前のように散歩に行けますね」「お仕事への復帰も、もうすぐですね」というように、創部の治癒と、患者さんが望む未来の生活を結びつけて会話をすることで、セルフケアへの関心と意欲を自然に引き出すことができます。
焦らず、スモールステップで、患者さんの心に寄り添いながら関わっていくことが大切です!
📌本日の要点まとめ

実習で整理したい観察項目とアセスメントの視点
まずは患者さんに起きている事実を観察し、そのうえで「なぜそうなっているのか」「どのような支援が必要か」を考えていきます。観察項目は患者さんに起きている事実を確認する視点、アセスメントの視点はその事実をどう意味づけて支援につなげるかを考える視点です。
【観察項目】
1. 創部を見る場面での反応
視線をそらす、表情がこわばる、拒否的な発言があるなど、不安や恐怖の表れを確認します。
2. 処置時の苦痛の有無
痛み、不快感、緊張の強さ、処置後の疲労感などを確認します。
3. 創部や治療に対する理解の程度
創部の状態、処置の必要性、セルフケアの目的をどのくらい理解しているかをみます。
4. 現在できているセルフケア
説明を聞く、処置に同席する、物品を準備するなど、今の段階でできていることを確認します。
5. 支援の受け入れ方
どのような声かけや説明なら安心できるか、誰の関わりで受け入れやすくなるかをみます。
6. 退院後を見据えた自己管理の力
退院後に創部管理が必要になるか、自宅で継続できそうかを確認します。
【アセスメントの視点】
1. 創部を見られない理由は何か
痛みへの不安、創の見た目への恐怖、悪化への心配など、背景にある思いを考えます。
2. 今の段階で受け入れられるセルフケアはどこまでか
いきなり創部を見るのが難しくても、説明を聞く、言葉で状態を知るなど、できる段階がないかを考えます。
3. セルフケアを妨げている要因は何か
不安、知識不足、自己効力感の低さ、成功体験の乏しさなどを整理します。
4. どのような支援なら不安を強めずに次の一歩につながるか
実況のように言葉で伝える、写真で間接的にみるなど、段階的な支援方法を考えます。
5. 患者さんにとっての動機づけは何か
創部の治癒が、歩く、退院する、元の生活に戻るなど、どの目標につながるかを考えます。
6. 安全面からどこまで自己管理を進められるか
患者さんの希望だけでなく、状態や理解力に応じて安全に実施できる範囲かを判断します。
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