ちょっと知りたい!看護実習ミニ辞典:嚥下体操

成人

嚥下体操は、嚥下機能が低下した患者さんに対して、食べ物を口に取り込み、咀嚼し、食塊をつくって送り込むために必要な口や舌などの機能を保つために行います。

主な嚥下体操

嚥下体操には、あご、口唇、舌、頬の運動や発声訓練があります。

あごの運動
あごの運動は、顎関節の拘縮を予防し、口を開く動きを保つために行います。
5〜10回を1セットとして、疲労に合わせて1日の回数を調整します。

自動運動
・口を大きく開けたり、閉じたりする。
・介助者が舌圧子や棒状のガーゼなどを準備し、軽く噛んでもらう。

口唇の運動
口唇の運動は、唇を閉じる力を保ち、食べ物を口の中に保持しやすくするために行います。
5〜10回ずつ、疲労に合わせて行います。

自動運動
・「あー」から「んー」、「んー」から「あー」、「うー」から「いー」、「いー」から「うー」のように口の形を変えながら発声する。

他動運動
・口を軽く閉じてもらい、介助者が上唇と下唇をそれぞれやさしく前方へ伸ばす。

舌の運動
舌の運動は、食べ物をまとめて食塊をつくり、口の奥へ送り込むために必要な舌の動きを保つために行います。
各運動を2〜3回ずつ、疲労に合わせて行います。

自動運動
・舌を前へ出し、戻す。
・舌を左右に動かす。
・舌を上下に動かす。

抵抗運動
・介助者が舌圧子を舌先に当て、舌で押してもらう。

他動運動
・介助者がガーゼで舌を軽く保持し、無理のない範囲で左右や上下へ動かす。

頬の運動
頬の運動は、食べ物を口の中にため込まず、食塊をまとめやすくするために行います。
2〜3回ずつ、疲労に合わせて行います。

自動運動
・両頬をふくらませる。
・両頬をしぼめる。

他動運動
・介助者が頬の内側からやさしく押してストレッチする。

発声訓練(パタカラ体操)
発声では口唇や舌などを使うため、発声訓練は嚥下に関わる器官を動かす運動になります。代表的な方法がパタカラ体操です。
「パ」「タ」「カ」「ラ」を各5回発音し、1日3セット行います。

運動の手順
1.「パ」を5回発音する:唇をしっかり閉じる動き。
2.「タ」を5回発音する:舌先を前歯の裏につけて離す動き。
3.「カ」を5回発音する:舌の奥を口蓋につける動き。
4.「ラ」を5回発音する:舌先を前歯の裏ではじくように動かす。

嚥下体操を行うときの注意点

嚥下体操は、患者さんの状態や疲労に合わせて行います。
患者さんが自分でできる運動と介助が必要な運動を確認し、安全に行うことが大切です。

共通の注意点
・疲労が強い場合は、無理に続けない。
・痛みがある場合は、無理に動かさない。
・口唇が乾燥している場合は、ひび割れを防ぐために保湿してから行う。

他動運動の注意点
・実施前に手洗いを行い、ディスポーザブル手袋を装着する。
・無理に大きく動かさず、患者さんの状態に合わせてやさしく行う。

まとめ

・嚥下体操は、食べ物を口に取り込み、咀嚼し、食塊をつくって送り込むために必要な機能を保つために行います。
・主な運動には、あご、口唇、舌、頬の運動と発声訓練があります。
・患者さんの疲労、痛み、乾燥などの状態に合わせ、無理のない範囲で行うことが大切です。

参考文献

嚥下障害のリハビリテーション(基礎訓練)|健康長寿ネット

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