呼吸器症状には、息切れ・呼吸困難、咳、痰などがあります。
症状の有無だけでなく、いつから、どのような場面で、どの程度みられるかを具体的に確認します。
息切れ・呼吸困難
息切れ・呼吸困難は、呼吸をするときに不快感や苦しさを感じる主観的な症状です。
「息が吸えない」「吐きにくい」「胸が締めつけられる」「空気が足りない」など、患者さんによって表現が異なります。
確認する内容は次のとおりです。
・いつから始まったか
・突然か、徐々に悪化したか
・安静時にもあるか
・歩行、階段、更衣、入浴など、どの動作で起こるか
・横になると悪化し、起き上がると楽になる起坐呼吸がないか
・咳、痰、喘鳴、動悸、発熱などを伴っていないか
・以前より活動できる範囲が狭くなっていないか
急に始まった呼吸困難は、気胸、肺血栓塞栓症、心不全などでもみられます。
呼吸困難と同時に意識の変化、チアノーゼ、会話が続かない状態がみられる場合は、速やかに報告しましょう。
息切れの程度はスケールでそろえる
息切れの程度を同じ基準で記録すると経過や治療前後の変化を比べやすくなります。
mMRC息切れスケールは、日常生活でどの程度の動作によって息切れが起こるかを、グレード0〜4で評価します。
・グレード0:激しい運動をしたときだけ息切れがある
・グレード1:速歩きや緩やかな坂道で息切れがある
・グレード2:平地を歩くと同年代の人より遅くなる、または自分のペースで歩いていても息切れのため立ち止まる
・グレード3:平地を約100m、または数分歩くと息切れのため立ち止まる
・グレード4:息切れのため外出できない、または着替えでも息切れがある

Fletcher-Hugh-Jones分類も息切れによる活動範囲の制限をⅠ〜Ⅴ度で表す方法です。
しかし、mMRC息切れスケールが国際的に広く用いられています。
修正Borgスケールは、患者さんがその時点で感じている息苦しさの程度を0〜10で表す方法です。安静時と動作後を比べる場合などに使います。
mMRC息切れスケールと修正Borgスケールでは評価する内容が異なるため、数字だけではなく、使用した尺度名も記録します。
咳は出方と痰の有無を見る
咳は、気道に入った異物や増えた分泌物を外へ出すための防御反応です。
気道の炎症、温度変化、におい、体位、会話、食事などで誘発されることがあります。
確認する内容は次のとおりです。
・いつから続いているか
・日中、夜間、早朝など、出やすい時間帯
・乾いた咳か、痰を伴う湿った咳か
・連続して出るか、発作的に出るか
・食事中や食後に増えないか
・血痰、発熱、喘鳴、呼吸困難を伴っていないか
・睡眠、会話、食事などへの影響はあるか
咳が強い場合は、回数だけでなく、休息や睡眠がとれているか、痰を出せているかも確認します。
痰は色だけでなく量と出しやすさを見る
痰は、気道内で増えた分泌物が咳とともに外へ出されたものです。
色だけではなく、量、粘り、におい、血液の混入、時間帯、出しやすさを合わせて見ます。
Miller-Jones分類は、痰の外見をそろえて表す方法です。
・M1:透明で粘りが強く、傾けても流れにくい
・M2:粘りがあり混濁しているが、明らかな膿性部分はない
・P1:M1またはM2の性状を示し、ごく一部に明らかな膿性部分がある
・P2:全体の約1/3〜2/3が膿性である
・P3:ほぼ全体が膿性で、粘りが低下している

感染の有無は、分類だけで判断せず、発熱、呼吸状態、検査結果、痰の増減も合わせて確認しましょう。
痰が急に増えた、血液が混じった、悪臭がある、粘りが強く自力で出せない場合は報告しましょう。
血痰と大量の喀血は分けて考えます。
出血量が多い場合や呼吸状態が悪化している場合は緊急性があります。
まとめ
・呼吸器症状は、いつから、どの場面で、どの程度みられるかを確認します。
・息切れはmMRCや修正Borgスケールを使い、尺度名と数値をセットで記録します。
・咳は出方と痰の有無、痰は色、量、粘り、出しやすさを見ます。
・呼吸困難が急に始まった場合は、緊急性を考えて速やかに報告します。
参考文献
Q10. 坂道や階段を登る時、息が切れます。|日本呼吸器学会
Q2. せきとたんが3週間以上続きます。|日本呼吸器学会
いったいどのMRC息切れスケールを使えばよいのか?|日本呼吸器学会誌
呼吸器・循環器疾患におけるADL評価|The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
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