関節可動域(range of motion:ROM)は、関節を動かせる範囲を角度で表したものです。
関節の動きに制限があるか、左右差や経過がどうかを確認し、立位、歩行、更衣などの日常生活への影響を考える手がかりにします。
自動運動と他動運動
自動運動は患者さん自身の力で関節を動かす方法です。
自動運動が制限され、他動運動が保たれている場合は、関節の運動に筋力低下や痛みなどが影響している可能性があります。
他動運動は測定者が関節を動かす方法です。
自動運動と他動運動の両方が制限されている場合は、関節やその周囲の組織による制限が考えられます。
測定の手順
測定前に、外傷や手術の内容、安静度、運動制限を確認し、避けるべき肢位や動かしてはいけない範囲がないか確認します。
1.測定する関節を開始位置に整え、その位置を0度とします。
2.角度計の中心を、関節の軸心に合わせます。
3.角度計の一方を測定の基準となる線(基本軸)に、もう一方を動く側の基準線(移動軸)に合わせます。
4.動かない側を固定して関節を動かし、動いた角度を確認します。

痛みを我慢させたり、必要以上に動かしたりしないよう注意します。
経過を見る場合は、できるだけ同じ体位と方法で測定します。
関節ごとの参考可動域や詳しい測定方法は、以下の資料を参照してください。
関節可動域表示ならびに測定法|日本リハビリテーション医学会
測定結果と合わせて確認すること
測定時にはROMの値だけでなく、以下の内容も確認します。
・左右差:反対側と比べて可動域に差がないか確認する
・痛み:どの運動方向や角度で痛みが生じるか確認する(ただし、痛みを我慢させて無理に動かさない。)
・代償運動:体幹や骨盤などが一緒に動いていないか確認する
・自動運動と他動運動の差:筋力や痛みが動きに影響していないか確認する
ROMの結果を参考に日常生活への影響を予測し、必要に応じて立位、歩行、更衣などの動作を別途確認します。
具体的な記録の例
右股関節屈曲のROM評価。
背臥位、膝屈曲位で他動測定。
右股関節屈曲90度、左120度。
右は屈曲90度で鼠径部痛と骨盤後傾が出現したため、測定を終了した。
左肩関節屈曲のROM評価。
座位で自動運動と他動運動を測定。
自動運動は左120度、右170度。他動運動は左160度、右170度。
測定時の疼痛と体幹の代償運動は認めない。
まとめ
・ROMは関節を動かせる範囲を角度で表します。
・自動運動と他動運動を区別して測定します。
・角度計の中心を関節の軸心に合わせ、基本軸と移動軸を正しく合わせます。
・左右差、痛み、代償運動も合わせて確認します。
参考文献
関節可動域表示ならびに測定法|日本リハビリテーション医学会
必修問題にでる!関節可動域(ROM)、何をどう勉強しよう?|メディックメディア
看護学生に必要な情報をひとつに
「なんでなんだナーシング×note」なら、看護実習から国家試験対策まで必要な記事を探して実習記録や学習に活用できます。
記事の探し方や実習記録への活用方法は、 「なんでなんだナーシング活用ガイド」 をご確認ください。
利用できるコンテンツやプランについては、 「メンバーシップのご紹介」 をご確認ください。
エビデンスSearch(無料お試し版)のご案内
看護実習や記録で「根拠が見つからない」「どこを見ればいいか分からない」で手が止まることはありませんか?
エビデンスSearchは、看護実習や記録に必要な情報をキーワードから探すためのツールです。
【使い方】
検索バーにキーワードを入力し、項目を選ぶと文章が表示されます。
表示された文章は編集できます。読み上げ/コピー/ダウンロードもできます。
まずは検索バーに、症状・疾患名・実習で気になるキーワードを1つ入力してみてください。
表示できない場合は、無料版はこちら(別ページ)
看護記録・SOAP記録アシスタント:エビデンスSearch(無料お試し版)

