瞳孔は、周囲の明るさや自律神経の働きによって大きさが変化します。
対光反射は、瞳孔に光を当てたときに縮瞳する反応です。
正常な瞳孔と異常な瞳孔
以下は正常な瞳孔と異常な瞳孔の代表的な目安です。
・正常
瞳孔径は3〜4mm、左右差はなく、形は正円です。対光反射はあります。
・中間位:瞳孔径は4〜5mm、不正円形です。対光反射はみられません。
中脳障害が考えられます。
・両側縮瞳(軽度):瞳孔径は2〜3mm、対光反射はあります。
低血糖などの代謝異常や間脳障害が考えられます。
・両側散瞳:瞳孔径は5〜6mm。
対光反射がみられない場合は、重度の低酸素状態が考えられます。
対光反射がある場合は、交感神経作動薬の影響が考えられます。
・両側縮瞳(重度):瞳孔径は2mm以下、対光反射はあります。
橋出血、脳幹部梗塞、モルヒネなどの中毒が考えられます。
・一側性の散瞳(瞳孔不同):左右の瞳孔径に0.5mm以上の差がみられます。
動眼神経麻痺、脳浮腫や出血などによる頭蓋内圧亢進が考えられます。
瞳孔の観察方法
瞳孔径は周囲の明るさによって変化するため、同じ明るさで左右を同時に確認します。
患者さんには、可能であれば遠くを見てもらいます。
瞳孔径は瞳孔計を用いて確認し、mmで記録します。
確認する内容は次のとおりです。
・左右の瞳孔径と左右差
・正円か、不正円か
・前回から変化していないか

対光反射の確認方法
対光反射は、左右を同じ条件で確認します。
室内をやや暗くすると観察しやすくなります。
はじめに患者さんの視線の外側からペンライトを近づけ、片方の瞳孔に光を当てます。
次に光を当てた側と反対側の縮瞳を観察し、もう一方の眼も同じように確認します。
確認する内容は次のとおりです。
・縮瞳するか
・反応が速いか、遅いか、消失しているか
・左右で反応が異ならないか
瞳孔径や対光反射は、周囲の明るさ、点眼薬や鎮静薬などの薬剤、眼科疾患の影響を受けることがあります。
同じ眼に長時間光を当てたり、必要以上に繰り返したりしないよう気をつけてください。
また、評価が難しい場合は、無理に繰り返さず、評価できなかったことを報告しましょう。

速やかに報告する変化
・新たな瞳孔不同や瞳孔径の急な変化がみられた
・対光反射が遅い、または消失している
瞳孔に異常が見られたときは瞳孔の変化だけでなく、発見時刻、意識レベルの変化、麻痺やけいれんなどの症状の有無も合わせて確認し、報告しましょう。
具体的な記録の例
正常な場合
瞳孔径は右3mm、左3mmで正円、左右差なし、対光反射は両側ともあり。
異常がみられた場合
瞳孔径は右5mm、左3mmで左右差あり。右の対光反射は消失し、左は認める。
前回は左右とも3mmであったが、今回は右瞳孔径の拡大と対光反射の消失を認める。
まとめ
・瞳孔は、同じ明るさで左右を比べます。
・瞳孔径、左右差、形、対光反射を確認します。
・周囲の明るさ、薬剤、眼科疾患の影響も確認します。
・新たな瞳孔不同、瞳孔径の急な変化、対光反射の遅延や消失は速やかに報告します。
参考文献
神経学的検査チャート作成の手引き|日本神経学会
瞳孔・対光反射の観察|メディックメディア 看護がみえる
神経病態学|金沢大学
瞳孔不同|MSDマニュアル家庭版
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