研究倫理(登録したやつ2章)

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研究の倫理Q&Aとかにする?

2章-1

どのような行動が研究不正行為となるのかは,国や資金配分機関,研究機関等によって異なりますが,日本だけでなく,世界各国で共通して研究不正にあたる行為として定義されているのは,捏造,改ざん,盗用で,しばしばfabrication(捏造),falsification(改ざん),plagiarism(盗用)の頭文字をとって,FFPと呼ばれます。
これらは明らかな不正行為ですよね?
ここまで明白な不正を働く人というのは,そもそも倫理観に問題がある科学者のように思いますが…。
そうとばかりも言い切れません。
軽い気持ちでデータの見栄えを良くしたり,他人のアイデアを借用してしまうケースも考えられます。
事例を見てみましょう。
当たり前のことですが,他人のアイデアを出典を明示せずに自分の論文に流用するのは「盗用」にあたります。
この事例は,学生の勘違いだったわけですが,原因はコミュニケーション不足でしょうか。
研究室の教授にアイデアを盗用されたら,ショックのあまり人間不信になってしまいそうですね。

 

そうですね。盗用は「誠実さ」という科学者個人の倫理的資質の欠如を意味するもので,重大な職業倫理違反行為でもあります。
他人の研究成果を自分の論文に盛り込むためには,自身が指導している学生のものであっても適切な手順を踏まないといけないのです。

また,平成25年に学位規則が改正されて,博士論文がネットで公表されるようになったことがまだ浸透していないのかもしれませんね。
なお,博士論文をネットで公表した場合,その研究成果が既発表とみなされてしまい,当該成果を投稿すると,ジャーナルによっては二重投稿とみなされることがあります。
ジャーナルの投稿規定等を確認し,二重投稿となりうる場合は,ネットでの公表を要約等にとどめるなどの対応をとることが必要です。
部局の規模で多少ミッションは違うのかもしれませんが,今回は学生相談室のC教授が冷静なご判断を下したおかげで解決できたようなものですよね。
私が博士課程にいた時に指導してくださった先生も,コミュニケーションは重要だと口を酸っぱくして言われていたことを思い出しました。
私たち科学者は,優れた研究業績をあげることと同等,あるいはそれ以上の重要な役割として,後進の指導があることを強く認識しなくてはなりません。
あらためて肝に銘じておきます。
まとめ

■研究不正行為 【グリーンブック:第Ⅲ章第5節第1項】

捏造(fabrication)
存在しないデータ,研究結果等を作成すること。

改ざん(falsification)
研究資料・機器・過程を変更する操作を行い,データ,研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工すること。

盗用(plagiarism)
他の研究者のアイデア,分析・解析方法,データ,研究結果,論文又は用語を当該研究者の了解又は適切な表示なく流用すること。

上記3つの研究不正行為は,しばしば,それぞれの頭文字をとって,FFPと呼ばれている。

■研究不正行為 【グリーンブック:第Ⅲ章第5節第1項】

「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」(平成26年8月26日 文部科学大臣決定)」では,投稿論文など発表された研究成果におけるFFPを「特定不正行為」と定義づけ,特定不正行為への対応を定めている。

なお,国際的にはFFPのみが研究不正行為ではなく,さまざまな逸脱行動を問題にする傾向にある。上記のガイドラインが通常の研究不正行為とは別に「特定不正行為」という概念を設けたのも,特定不正行為以外でも研究不正行為となり得ることを前提としたものである。また,研究成果の発表・未発表にかかわらず,研究プロセスで行われるFFPを研究不正行為とする国も多い。

■捏造・改ざんの事例 【グリーンブック:第Ⅲ章第5節第2項】

「ディオバン事件」〔2012(平成24)年/日本〕

複数の大学病院等が参加して,高血圧症治療薬ディオバンに関する臨床研究をそれぞれ行った。

このとき,製薬会社に有利な結論を生むように,被験者の血圧の数値などのデータ操作や統計操作が行われ,データ改ざんの事実が裁判で認定されている。

不正の発覚後これらの論文は撤回されたが,大きな社会的問題となり,一部の関係者も処分された。

■盗用 【グリーンブック:第Ⅲ章第5節第3項】

他人の論文の多くの部分を適切な引用をせずに自分のものであるかのように転用するのは明らかな盗用であるが,その他にも,例えば,大学の教授が大学院生の未公刊の論文を見せてもらい,そのアイデアを自分の論文として公表するというのもアイデアの盗用にあたる。

また,実験系の研究では,実験手法や使った資料(マテリアル・アンド・メソッド)を記載する際に,既発表の論文から出典を明記せずに用いることも問題となる。

なお,元の記述をそのまま用いる場合だけでなく,記述に修正を加えて利用する場合にも,出典を明記する必要がある。

■出典の明示 【グリーンブック:第Ⅲ章第5節第4項】

他人の研究成果を利用するためには,出典先を明示し,読者がその出典先をあたれるようにしなければならない。出典を示すことなく,他人の研究成果を利用することは盗用にあたる。

出典を示すにあたっては,どの部分が著者によるもので,どの部分が他の科学者によるものか,明確に示さなければならない。

また,文献の窃用だけが盗用ではない。論文の査読,研究費申請の審査などを通じて,特別に知り得た他人のアイデアや技術を,いわばインサイダー取引のように利用することも盗用にあたる。

■出典の明示 【グリーンブック:第Ⅲ章第5節第4項】

さらに,公開の講演会で演者が話したアイデアであっても,会場にいた者が断りなく使用すれば盗用にあたる恐れがある。このような場合には,アイデアの出所がその講演者であることを明らかにしたり,講演者の承諾を得ておくことも賢明な態度である。研究会の場での議論の中で,出てきた理論,アイデアを利用する場合にも,科学者の倫理としては,同じように考えるべきである。

2章-2

今回は,「オーサーシップ」について学習します。

 

「著者=論文に関わった人」という認識でいますが,それではいけないのでしょうか。

それでは,どうすれば「論文に関わった」と言えるでしょうか。誰を著者とし,著者としないのかは,大変重要な問題です。
まずは事例を見てみましょう。

論文の著者として表示されることがオーサーシップ(authorship)です。
オーサーシップはその研究を遂行した功績を示すとともに,その内容に対する責任を伴います。
論文の基となった研究の中で重要な貢献を果たした者には著者としての資格があり,そうでない者にはその資格はないと考えるべきです。

 

今回の事例では,A教授は投稿後の論文の最終版を確認しただけに留まっているので,そもそも「重要な貢献を果たした者」と言えないですね。

そのとおりです。
B講師は,論文の執筆に関わっていないA教授を著者とするべきではありませんでした。また,A教授の立場の場合,こういった依頼は断らなくてはなりません。

なるほど。A教授は,著者として挙げられるべきではなかったのですね。
この場合は,やはり謝辞で述べることになるのでしょうか。

 

一般的なことを言えば,一定程度の貢献の場合は「謝辞」で述べるのが適切です。しかし,今回のA教授の場合は,何ら貢献していないので,謝辞にすら当たりません。

 

では,「重要な貢献」というのは,正確にはどういうことなのでしょう。大きな研究で,様々な人に協力していただく場合など,誰を著者として挙げていいか迷ってしまわないでしょうか。

 

たしかにそうですね。研究分野や実験の対象によって考え方に幅があるから,私も悩むことがあります。
特に最近は他分野との共同研究が増えているので,いよいよ難しくなっています。
分野によっては一定の基準を定めているところもあるようですが,そもそも分野が複数になったら,参考にはできるものの,一から考えることになります。

 

なるほど。それに加えて国際的な共同研究ともなるとめまいがしそうですね。

 

そうですね。それぞれの国の研究倫理やルールを共有しておかなければなりません。
クレジットは科学者の貢献を認めるものであり,科学者としての評価にとっても,他の科学者が研究の適切さを評価するためにも重要なものです。

 

ありがとうございました。先生でも悩むことがあるような重要な話だったんですね。認識を新たにしました。

 

■オーサーシップ(authorship) 【グリーンブック:第Ⅳ章第2節】

論文の著者として表示されること。オーサーシップはその研究を遂行した功績を示すとともに,その内容に対する責任を伴う

<参考>研究コミュニティにおけるオーサーシップの基準の例(米国国際医学雑誌編集者委員会)
1.研究の構想・デザインや,データの取得・分析・解釈に実質的に寄与していること
2.論文の草稿執筆や重要な専門的内容について重要な校閲を行っていること
3.出版原稿の最終版を承認していること
4.論文の任意の箇所の正確性や誠実さについて疑義が指摘された際,
調査が適正に行われ疑義が解決されることを保証するため,
研究のあらゆる側面について説明できることに同意していること
[出典]International Committee of Medical Journal Editors (ICMJE),“Recommendations for the Conduct, Reporting,Editing,and Publication of Scholarly Work in Medical Journals”,Updated December 2013.

 

■著者リスト 【グリーンブック:第Ⅳ章第2節第5項】

論文には著者として複数の人物が名を連ねることが多くある。

その際,著者の果たした貢献が研究の一部に特定されたものであり,そこだけに責任を負う場合には,そのことを明示しなければならない。

そうでない限り,著者は発表された内容の全体に対して責任があるものとみなされ,自分が実際には行っていない部分にあった研究不正についても,責任を問われることがあり得る。

■ギフト・オーサーシップ 【グリーンブック:第Ⅳ章3節第1項】

著者としての資格がないにもかかわらず,
真の著者から好意的に論文の著者として表示されることを
ギフト・オーサーシップ(gift authorship)という。
研究について説明責任を負うのが著者であるため,実際には研究に貢献のなかった者を著者として記載することは許されない。
研究への協力などに感謝の意を表すとしても,著者に加えるのではなく,その旨を謝辞などの形で明記することが必要である。

■ゴースト・オーサーシップ 【グリーンブック:第Ⅳ章第3節2項】

ギフト・オーサーシップとは逆に,
著者としての資格がありながら著者としてクレジットされていない場合を,
ゴースト・オーサーシップ(ghost authorship)という。

■クレジット 【グリーンブック:第Ⅳ章第2節第2項】

科学者の研究への貢献を認めることをクレジット(credit)という。論文の著者に表示されるオーサーシップや,他の著者の研究を「引用」すること,当該研究に貢献した科学者を「謝辞」の中で挙げることもクレジットを与える方法である。

学術雑誌に一番早く掲載された論文の著者は,最初の発明・発見者としてのクレジットを受ける。著者としてクレジットを受けたことは,そうした科学者が研究の前進に寄与したことを意味する。

 

■謝辞 【グリーンブック:第Ⅳ章第4節第4項】

研究論文の発表にあたって,さまざまな形で協力してもらった関係者や,支給された研究費については,謝辞などの形で明記することが必要である。

具体的には,研究費を獲得した人や研究室主宰者,研究代表者,アドバイスを行った人,草稿執筆にあたって文章面・英文構成などで協力してくれた人などで,オーサーシップの条件を満たしていない人を謝辞の中に挙げる。

また,研究にあたって研究費の助成を受けた場合は,そのことを明示することも必要である。研究助成元への説明責任を果たすものであるだけではなく,民間企業から助成を受けた場合などは,利益相反の観点からも助成元を明記することが欠かせない。

 

2章-3

先生…。実は,テニュア審査の調書がもうすぐ締切りなんですが,「研究業績」欄がまだ埋まらないんです。

 

それは,研究業績として挙げる「論文等の数が少ない」という意味ですか?

 

はい。一般的に「研究業績」として,何本くらいの論文を挙げれば問題ないのでしょうか。

 

なるほど。今回は,まさにそんな悩みを持つ亘理さんに参考にしてもらいたい事例です。
事例学習に進んでみましょう。

 

既発表又は他の学術雑誌に投稿中の論文と本質的に同じ内容の論文を投稿・発表する行為を、二重投稿・二重出版と言います。

 

盗用の事例で学んだように,FFPは明らかな研究不正行為ですが,科学者倫理に反するという意味からは,二重投稿・二重出版も,研究不正行為として扱われることが増えています。

 

今回の事例は,補助金を得るために審査の際の評価を高めようと,業績を水増ししてしまった例ですよね。

たしかに他の申請者に対して気が咎めないわけではないでしょうけど,研究の結果を歪めたり,他人の成果を盗んだわけではないのに,“研究不正の定義に含まれる”なんて,びっくりです。

 

そうですね。今回のような業績の水増し行為はさまざまな研究リソースを浪費させ,社会と科学者コミュニティとの間や,科学者コミュニティ内の信頼関係を損ねてしまうことになりかねません。
自己の研究成果であっても,きちんと引用や参照を行うなど,研究成果の発表も誠実に行うことが重要です。

 

なるほど。FFPだけが不正と思っているだけでは,責任ある研究活動の本質を理解できていないのですね。よくわかりました。

ただ,「発表論文数で評価されるのではないか,国際的な業績があったほうが評価されるのではないか」と考え,自分を大きく見せようとしたA准教授の気持ちは,理解できなくもありません。

 

確かに,発表論文の多さは判断材料の1つと言えますが,水増しした業績は,見る人が見ればすぐにわかってしまいます。
研究成果をもとに論文を発表する際,査読で却下(リジェクト)されることや,査読に時間がかかることがあるので,複数のジャーナルに実質的に同一の内容をほぼ同時に投稿しようとすることがあるかもしれませんが,これは二重投稿です。
いずれかのジャーナルに受理(アクセプト)されたときに,他の投稿は引き下げることを前提としたとしても,同じです。
それに,二重投稿・二重出版は,不必要な査読などによってレビューアーの時間を浪費させてしまうことになります。
その結果,本来見てもらえるはずだった正当な論文にしわ寄せがいってしまうため,よくよく考えると重大な迷惑行為なのです。

 

たしかに。看板を掛け替えた論文は言語道断ですね。

 

ところで、論文数を稼ぐことを目的として、本来1つの研究成果として発表すべきものを不必要に小分けして細切れに出版するような行為が見受けられることもあります。ソーセージを薄く切って少しずつ食べるようだということから、「サラミ出版」とか「ボローニャ出版」とか呼ばれます。
これもある意味で業績の水増しと言えます。

 

あまり感心したやり方ではありませんね。

 

二重投稿は,科学への信頼を致命的に傷つける「捏造,改ざん及び盗用」とは異なるものの,論文及び学術誌の原著性を損ない,論文の著作権の帰属に関する問題や研究実績の不当な水増しにもつながり得る研究者倫理に反する行為として,多くの学協会や学術誌の投稿規程等において禁止されています。
繰り返しになりますが,評価する側・評価される側ともに,科学者の能力は単なる論文の数のみで判断されるべきではないということを認識していくことが大切です。

 

わかりました。数が多ければ必ずしも業績評価にプラスがあるというものではないのですね。

 

そのとおりです。私たちが発表する研究成果は,すぐ目の前のプロモーションや補助金獲得のためにあるのではなく,広く世界の科学者コミュニティ,さらに社会一般と共有されるためにあるんだということを忘れてはいけません。
だからこそ,適切に発表される必要があるんです。

 

まとめ

■二重投稿・二重出版 【グリーンブック:第Ⅳ章第4節第1項】

著者自身によってすでに公表されていることを開示することなく,同一の情報を投稿し,発表すること。「二重投稿」には,「同じ論文を複数の学術誌に同時に投稿する」場合も含まれる。

研究論文を投稿する場合,もしその内容の重要な部分をすでにどこかに発表している場合は,そのことを明示する必要がある。

 

■二重投稿・二重出版 【グリーンブック:第Ⅳ章第4節第1項】

? なぜ問題なのか
・業績の水増しになる。
・不必要な査読などにより
他の科学者の時間と資源を無駄にさせることになる。
・特定の結果を示す論文が,それと異なる結果を示す論文より多数を占めていると,
これを重視してしまい,時には政策判断をミスリードしてしまう可能性がある。

 

■サラミ出版(ボローニャ出版) 【グリーンブック:第Ⅳ章第4節第2項】

一つの研究を不必要に小研究に分割して細切れに出版すること。

オリジナリティのある一編の優れた研究論文は,不必要に分割されたばらばらの論文よりも格段にインパクトがあり,科学の発展に貢献するものだということを忘れてはならない。

? なぜ問題なのか
・業績の水増しになる。
・全体としての研究意義の把握がしにくくなり,
他の科学者に無用な手間暇をかけさせる。

2章-4

次は,著作権に関する事例について見ていきたいと思います。

 

他人の著作物を無断で使用してはいけないのは当然ですよね。でも,インターネットが普及するにつれ,いろいろな問題が増えているように思います。

 

そうですね。
残念ながら故意ではなくても,問題が起きてしまうことがあるようです。

 

改めて確認する必要がありそうですね。
著作権は著作物を創作した際,申請や登録といった手続を一切必要とせずに自動的に付与される権利です。
私たち科学者が通常取り扱う論文,書籍中の文章・図・表・写真・イラスト,講演,新聞記事,雑誌記事などもすべて著作物です。

 

今回の事例は許諾を得たにもかかわらず,ずいぶんお気の毒な結果でしたね。
この論文を書いたのはA講師なのに,そもそも著作権というものは移転できるものなのですか?

 

分野や取り交わす契約内容によりますが,投稿時に財産権としての著作権を出版元に移転することがあります。
たとえ著者は自分であっても,掲載された論文をそのままインターネットなどで公表しようとする時は,許諾の必要性や表示方法を雑誌社に確認しておくことが賢明です。
著作権を移転した場合に,譲渡人が無許可で公表したことが譲受人の権利を侵害するかどうかは,著作者人格権に基づく公表権の有無とは関係なく,著作権について譲受人とどのような契約を交わしたかによります。

 

よくわかりました。細かく決まっているのですね。

 

契約内容を確認するのはもちろんですが,昨今の情報化社会では,あらぬ疑惑を招かないよう「許諾を得たことを表示する」など,細心の注意が必要になってきていることを,私たちも気を付けないといけないですね。

 

■著作権 【グリーンブック:第Ⅳ章第5節第1項】

著作権は著作物を創作した際,申請や登録といった手続を一切必要とせずに自動的に付与される権利である。

著作物は小説,音楽,美術,映画,コンピュータプログラムなどが著作権法に例示されているが,科学者が通常取り扱う論文,書籍中の文章・図・表・写真・イラスト,講演,新聞記事,雑誌記事も著作物に含まれる。

 

■著作者の権利

著作者の権利には,人格的利益 (精神的に「傷つけられない」こと)を保護するための「著作者人格権」と,財産的利益 (経済的に「損をしない」こと) を保護する「著作権(財産権)」の二つがある。

「著作者人格権」は,著作者が精神的に傷つけられないようにするための権利であり,創作者としての感情を守るためのものであることから,これを譲渡したり,相続したりすることはできないこととされている (第59条)。
一方,財産的利益を守るための「著作権 (財産権)」は,その一部又は全部を譲渡したり相続したりすることができる。 したがって,通常,著作物が創作された時点では,「著作者」(創作者)と「著作権者」(「著作権(財産権)」を持つ人)は同一であるが,「著作権 (財産権)」が譲渡されたり相続されたりすると,著作者と著作権者は異なることになる(第61条)。
なお,「著作権(財産権)」が譲渡されても,「著作者人格権」は引き続き「著作者」に残っている。

[出典]文化庁ホームページ「著作権Q&A~著作権なるほど質問箱~」
https://pf.bunka.go.jp/chosaku/chosakuken/naruhodo/outline/4.3.html

 

■著作権(財産権)の譲渡 【グリーンブック:第Ⅳ章第5節第2項】

ジャーナルの掲載記事における著作権について,科学者や投稿者の署名入りの論文,投稿記事などの著作権は,一般的にそれぞれの著者にあると考えられるが,著者が「著作権を譲渡する」との契約を出版社と交わした場合には,出版社に著作権が移転することになる。

したがって,この場合は,ジャーナルに掲載された論文,投稿記事などの全部又は相当部分を利用するときは,著者であったとしても,原則として,出版社の許諾が必要である。

■他人の著作物を利用するには 【グリーンブック:第Ⅳ章第5節第2項】

他人の著作物をコピーしたり改変して二次的著作物を作成し利用する場合には,その著作物の著作権者に了解を得ることが原則である。

 

■著作権者の了解を得る必要がない二次利用
【グリーンブック:第Ⅳ章第5節第3項】

「引用」する場合 【グリーンブック:第Ⅳ章第5節第3項第1】
引用とは,自分の著作物の中で,他の著作物の一部を掲載する行為である。

「公表された」著作物を「公正な慣行に合致」し,「報道,批評,研究その他の引用の目的上正当な範囲内」で著作物の中に引用できる。

 

■著作権者の了解を得る必要がない二次利用
【グリーンブック:第Ⅳ章第5節第3項】

判例等を踏まえると,下記の要件を満たせば著作権者の了解を得ずに引用してよいと考えられる。
①引用する著作物がすでに公表されたものであること
②引用する必然性があること
③引用にあたる部分を明確に示してあること
④引用する著作物を許可なく改変しないこと
⑤自分の著作物が主たる部分で,引用部分は従たるものであること
⑥出典を明記すること

これらの要件を満たさずに他の著作物を利用した場合,著作権法違反になるだけでなく,研究不正行為として盗用とみなされることがある

 

■著作権者の了解を得る必要がない二次利用
【グリーンブック:第Ⅳ章第5節第3項】

教育や試験のための著作物の二次利用について
【グリーンブック:第Ⅳ章第5節第3項第2】
学校その他の教育機関(塾などの営利を目的とする機関は対象外)で,授業において,必要最低限の範囲での著作物の複製等の利用においては,出典を明示すれば,許可なく利用しても違法にはならない。


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