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実習前に疾患を学ぼうとしても、何から手を付ければよいか迷うことがあります。
まずは実習で出会う可能性がある代表的な疾患を障害される臓器や病態の流れと結び付けて整理することが重要です。
ここでは、急性期、慢性期、回復期、在宅、母性、小児などの実習で学習の土台になりやすい10の疾患を疾患カテゴリーごとに紹介します。
疾患名を覚える前に確認したい3つの視点
疾患を学ぶときは、最初にどの臓器や機能が障害されているのかを押さえます。
次に障害によってどのような症状や生活上の困難が起こるのかを考えます。
最後に検査、治療、観察、援助がどの病態や症状に対応しているのかを結び付けると実習で必要な情報を集めやすくなります。
脳神経疾患
1.脳梗塞
脳梗塞は、脳に血液を送る血管が閉塞し、脳組織への血流が途絶えることで障害が生じる疾患です。
脳のどの部位が障害されたかによって、運動麻痺、感覚障害、失語、視野障害、嚥下障害などの現れ方が異なります。
実習では、障害部位と症状のつながりを整理し、移動、食事、排泄、意思疎通などの生活機能にどのような影響があるかを確認します。
2.パーキンソン病
パーキンソン病は、中脳の黒質にあるドパミン神経細胞が障害されることで起こる神経変性疾患です。
ドパミンの不足により、安静時振戦、筋強剛、運動緩慢、姿勢保持障害などが現れます。
実習では、歩行、更衣、食事、排泄などの動作がどの症状で妨げられているかを観察し、薬効による変動も含めて生活への影響を捉えます。
3.認知症
認知症は、さまざまな脳の疾患や障害を背景として認知機能が低下し、日常生活に支障が生じている状態です。
原因には、アルツハイマー病などの神経変性疾患や脳血管障害に関連するものがあります。
実習では、記憶や判断力だけでなく、普段の生活習慣、安心できる関わり方、環境の変化による影響を把握することが重要です。
循環器疾患
4.心不全
心不全は、心臓のポンプ機能が低下し、全身が必要とする血液を十分に送り出せなくなった病態です。
心拍出量が低下すると疲労感や活動時の息切れがみられ、静脈うっ血が加わると呼吸困難や浮腫につながります。
実習では、呼吸状態、体重、浮腫、尿量、活動時の症状を経時的に確認し、うっ血や循環不全の変化を捉えることが重要です。
呼吸器疾患
5.肺炎
肺炎は、細菌やウイルスなどの病原微生物が肺に感染し、急性の炎症を起こす疾患です。
肺胞に炎症が広がるとガス交換が妨げられ、発熱、咳、痰、呼吸困難、酸素化の低下などがみられます。
誤嚥が関与する肺炎もあるため、実習では呼吸状態に加えて、嚥下機能、口腔内の状態、食事中のむせ、痰の性状を確認します。
6.慢性閉塞性肺疾患(COPD)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、気道や肺胞の慢性的な変化によって気流閉塞が生じる呼吸器疾患です。
長期間の喫煙が主な原因の一つであり、気流閉塞、肺の過膨張、ガス交換障害が息切れや活動耐性の低下につながります。
実習では、安静時と活動時の呼吸状態、呼吸困難の程度、痰、SpO2、日常生活動作の休憩の取り方を確認します。
代謝・腎疾患
7.糖尿病
糖尿病は、インスリンの分泌不足や作用不足によって高血糖が持続する疾患です。
糖尿病は、1型糖尿病、2型糖尿病、その他の特定の機序や疾患によるもの、妊娠糖尿病に分類されます。
実習では、血糖値だけでなく、食事、運動、内服や注射、低血糖の有無、足の状態などを確認し、自己管理が生活の中でどのように行われているかを捉えます。
8.慢性腎臓病(CKD)
慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の構造または機能の異常が3か月以上続く状態をいいます。
推算糸球体濾過量(eGFR)が60ml/分/1.73m2未満の状態が3か月以上続く場合も、CKDに含まれます。
実習では、尿量、浮腫、血圧、体重、検査値、食事や水分の管理状況を確認し、腎機能の低下が全身状態や生活に及ぼす影響を整理します。
運動器疾患
9.骨折
骨折は、転倒や外力によって骨の連続性が断たれた状態です。
骨粗鬆症がある場合は、わずかな外力でも骨折しやすくなり、椎体、大腿骨近位部、橈骨遠位端、上腕骨近位部などに生じることがあります。
実習では、骨折部位や治療方法を踏まえ、疼痛、安静度、移動能力、排泄、転倒リスク、退院後の生活への影響を確認します。
消化器疾患
10.消化器がん
消化器がんには、食道、胃、大腸、肝臓、膵臓などの消化器に生じるがんが含まれます。
がんの部位、進行度、全身状態によって、内視鏡治療、手術、薬物療法、放射線治療などから治療が選択されます。
実習では、摂食や排泄への影響、栄養状態、疼痛、治療による症状、ストーマの有無などを確認し、その人に必要な生活支援を考えます。
実習前の学習を記録につなげる方法
10疾患をすべて細かく暗記する必要はありません。
まずは、疾患の定義、障害される臓器、代表的な症状、主な治療を短く説明できる状態を目指します。
受け持ちが決まった後は、患者さんにみられる症状や治療を中心に学習を深め、情報収集とアセスメントにつなげていきましょう。
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