筋・骨格系の症状には、痛み、腫れ、痺れ、動かしにくさ、筋力低下などがあります。
症状の有無だけでなく、左右差、始まり方、経過、日常生活への影響を合わせて確認します。

外傷後や症状が急に変化した場合は緊急性を確認する
外傷後や症状が急に出現・悪化した場合は、はじめに外傷の状況と全身状態を確認します。
・外傷後に強い痛み・腫れ・変形があり、患部を動かせない、または体重をかけられない
・外傷後やギプス・固定具の装着後に、強い痛みや腫れ、痺れが増し、手足が蒼白または紫色で冷たい
・関節に急な強い痛み、腫れ、熱感があり、発熱を伴う
・腰痛や下肢の症状に加えて排尿・排便障害や会陰部の感覚低下を伴う
このような変化がある場合は、速やかに報告しましょう。
疼痛
疼痛は、身体に生じる不快な痛みの感覚です。
痛みの感じ方には個人差があるため、患者さんの訴えをもとに評価します。
確認する内容は次のとおりです。
・どこが痛むか、ほかの部位への広がりはあるか
・いつ始まり、どのくらい続いているか、時間帯によって変化するか
・どのような痛みか
・NRSなどでどの程度か
・安静時と動作時のどちらで痛むか、どの動作や姿勢で強くなり、何をすると楽になるか
・日常生活動作や睡眠にどのような影響があるか
痛みがある場合は、患部に負担がかからない楽な体位に整え、必要に応じてクッションなどで支えます。
痛みを強める動作を避け、できない動作を援助します。
鎮痛薬の使用状況を確認し、使用後は痛みの強さや動作への影響が軽減したかを評価します。
外傷後に強い痛み、腫れ、変形がある場合は、患部を無理に動かさずすぐに報告しましょう。
炎症(発赤・腫脹・熱感)
※炎症には、発赤、疼痛、腫脹、熱感、機能障害がみられますが、ここでは発赤、腫脹、熱感を中心に解説します。
炎症は、けがや感染などに対して身体が起こす防御反応です。
関節や筋肉に炎症が起こると発赤、腫脹、熱感などがみられます。
確認する内容は次のとおりです。
・いつ、どのように出現したか
・炎症部位と左右差
・範囲が広がっていないか
・発赤、腫脹、熱感の程度と変化
・安静時や動作時の痛みの有無や程度
・発熱、悪寒、倦怠感を伴わないか
発赤、腫脹、熱感の範囲や程度を継続して観察し、変化を記録します。
鎮痛薬や抗炎症薬の使用後は、症状や動作への影響が軽減したかを評価します。
急性炎症がある場合は、患部への負担を減らし、楽な体位に整えて必要に応じてクッションなどで支えます。
基本的に、急性の腫れや熱感が強い場合は冷罨法を行います。
基本的に、慢性的なこわばりや痛みには温罨法を行います。
罨法中は、皮膚の色や温度、感覚の変化を確認しましょう。
強い疼痛や発熱を伴う場合は、速やかに報告しましょう。
痺れ
痺れは、感覚が鈍い、ぴりぴり・じんじんする、焼けるように感じるなどの異常な感覚です。
確認する内容は次のとおりです。
・いつ、どのように出現したか(突然か、徐々に始まったか)
・どのような感じ方か
・部位、広がり、左右差
・姿勢や動作で変化するか
・筋力低下、歩行障害、顔や言葉の異常を伴っていないか
痺れの部位や広がり、程度を継続して観察し、変化を記録します。
症状が強くなる姿勢や動作がある場合は、それらを避け、楽な体位に整えます。
筋力低下や歩行の不安定さがある場合は、移動や日常生活動作を援助し、転倒を予防します。
感覚が低下している部位は、熱さや痛みに気づきにくいため、熱傷や外傷、同じ部位への圧迫に注意します。
片側の手足や顔の痺れが突然現れた場合や、筋力低下、歩行障害、言葉の異常を伴う場合は、速やかに報告しましょう。
筋力低下
筋力低下は、筋肉が発揮する力が弱くなった状態です。
患者さんに手足を動かしてもらい、力の入り方や左右差を確認します。
確認する内容は次のとおりです。
・どの部位に力が入りにくいか
・左右差はあるか
・痛みにより力を出せないのか、痛みがなくても力が入りにくいのか
・日常生活動作に影響していないか
筋力低下の部位、左右差、程度の変化を継続して観察し、記録します。
立ち上がりや歩行が不安定な場合は、必要に応じて見守りや介助を行い、転倒を予防します。
患者さんができる動作は自身で行ってもらい、困難な動作は援助します。
状態に応じて動作の途中で休息を取り入れます。
片側の手足に筋力低下が突然現れた場合や、顔の左右差、言葉の異常を伴う場合は、速やかに報告しましょう。
関節可動域制限
関節可動域制限は、関節を動かせる範囲が狭くなった状態です。
患者さん自身で動かしてもらい、動かせる範囲や左右差を確認します。
確認する内容は次のとおりです。
・どの関節や方向が動かしにくいか
・左右差があるか
・痛みで動かせないのか、関節が硬くて動かしにくいのか
・動かしたときに引っかかりや不安定感がないか
・日常生活動作に影響していないか
関節可動域や痛みの程度、日常生活動作への影響を継続して観察し、変化を記録します。
痛みが強くなる動作を避け、楽な体位に整えます。必要に応じてクッションなどで支えます。
痛みが強くならない範囲で動かしてもらいます。困難な場合は援助します。
日常生活動作が行いにくい場合は、動作方法を工夫します。必要に応じて補助具を活用します。
動かしている途中や動かした後に痛みや腫れが強くなった場合は、動作を中止して状態を確認します。
外傷直後、強い痛み、明らかな変形、急な腫れがある場合は、無理に動かしたり抵抗を加えたりしないよう注意しましょう。
まとめ
・筋・骨格系では、疼痛、炎症(発赤・腫脹・熱感)、痺れ、筋力低下、関節可動域制限を確認します。
・症状の部位、左右差、始まり方、経過、動作との関係、日常生活動作への影響を確認します。
・外傷後に強い痛み、明らかな変形、急な腫れがある場合は、患部を無理に動かさず、すぐに報告します。
参考文献
しびれ(病気によるもの)|日本整形外科学会
しびれ(上肢のしびれ)|日本整形外科学会
うまく力がはいらない(脱力)|日本神経学会
変形性関節症|日本整形外科学会
関節痛|済生会
化膿性関節炎|済生会
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