【精神科実習】ヘンダーソンの14項目を使った情報収集のコツ|アセスメントが変わる!

情報収集

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【参考】
この記事に記載の情報収集項目は、『精神看護学実習』に特化した内容となっております。
基礎看護実習や成人看護実習については、別途下記の記事をご参照ください。
【全科共通】ヘンダーソンの14項目を使った情報収集のコツ|アセスメントが変わる!
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はじめに

 今回はより良い情報収集を行える様にヘンダーソンの看護の基本となるものを整理しました。
ヘンダーソンの看護の基本となるものを次の3つにまとめています。

1.情報収集する内容
2.どんな事をアセスメント(評価)したいのか?
3.関連する看護計画

そもそもなにをアセスメントするんだっけ?
とりあえず情報はとったけど、この情報はどこのパターンに入れるんだっけ?
どんな計画に使えるの?
と迷ったらこちらの表をお使いください。

ヘンダーソンの看護の基本となるものとは

 ヘンダーソンの看護の基本となるものはヘンダーソンがまとめた看護理論です。すごく簡単に説明すると次の様になります。

ヘンダーソンの理論
 人間には14の基本的欲求があります。この14の基本的欲求のすべてが充足され、自身の体力・意志力・知識により自立して生活していれば健康と言えます。しかし、常在条件(年齢、気分、社会的状況や身体・知的能力など)や病理的状態(病気や手術など)の影響によって、基本的欲求が未充足になり、自身の体力・意志力・知識が不足し自立した生活ができなくなる事があります。この状態が病人です。
看護師は14の基本的欲求を満たせる様に健康あるいは健康の回復の一助となれる様に援助する役割があります。基本的欲求が未充足になり、自身の体力・意志力・知識が不足し自立した生活できていない人ができるだけ早く自立できる様に手助けしましょう。

 ヘンダーソンの看護の基本となるものでは、14の基本的欲求が充足しているか未充足であるかをアセスメント(評価)するための情報が求められます。

 

ヘンダーソンの看護の基本となるもの(常在条件、病理的状態、14の基本的欲求)一覧表

※情報収集する項目、アセスメントしたい内容、関連する計画はこの限りではありません。また、各項目は患者の状態や状況により違う領域に入る事があります。決してこの表に固執して時間をロスしない様に注意し、患者の状態や状況に応じて臨機応変に調整してください。

常在条件に関する情報

情報収集する項目アセスメントしたい内容
常在条件に関する情報年齢
気質(衝動性、内向性、外向性、情緒安定性)
感情の不安定性、調節困難
気分、気分の変動
身体能力
知的能力(認知機能、思考柔軟性)
生育歴
幼少期のトラウマ、愛着障害
家族構成
家族の精神疾患、遺伝的要因
家庭内での役割、期待
家庭内の精神的な支援
家族や友人の有無
家族や友人との関係性、情緒的支援
住居環境
職業的役割
職場ストレス、人間関係の問題
経済状況(経済的ストレス、生活不安)
常在条件はどのような状態か

常在条件が基本的欲求に対してどのような影響を及ぼしているか

年齢、気質、感情・気分、知的能力はどうか

気質、感情や気分の安定性、知的能力が精神疾患の発症・経過・治療にどのように影響しているか

幼少期のトラウマや愛着の問題はあるか

家族構成、家庭内での役割、家族や友人との関係、支援体制はどうか

家族や友人との関係、家庭内役割が社会的関係の維持や情緒的支援にどのように影響しているか

日常生活や職業的役割、経済状況、住居環境などの社会環境はどうか

住居環境、職場の状況、経済状況が患者の安心感や生活の安定性にどのように影響しているか

 

病理的状態に関する情報

情報収集する項目アセスメントしたい内容
病理的状態に関する情報飢餓状態、嘔吐や下痢の有無、脱水状態、電解質バランスの異常
息苦しさ、呼吸困難
脱力感、虚脱、ショック状態
意識障害、昏睡、せん妄
異常な温熱環境
急激な発熱
外傷、創傷、感染
伝染性疾患
手術前後
疾患や治療による活動制限
慢性的な疼痛が続いている状態
病理的状態はどのような状態か

病理的状態が基本的欲求にどのような影響を及ぼしているか

精神疾患の発症時期、精神症状、症状の程度はどうか

精神症状が日常生活にどのような影響を及ぼしているか

 

 

基本的欲求に関する情報

基本的なニード情報収集する項目アセスメントしたい内容関連する計画
正常に呼吸する
呼吸に対する思い
環境因子(室温、気温、臭気)
意識レベル
認知機能
呼吸数、リズム、呼吸音、呼吸パターン、経皮的酸素飽和度(SpO2)
息切れ、呼吸困難
チアノーゼ
咳の有無
痰の有無
喫煙歴
呼吸に影響を及ぼす精神症状の有無
呼吸に影響を及ぼす薬剤の使用の有無
呼吸機能やパターンは正常か

精神症状や薬剤の副作用など呼吸が妨げられる要因はあるか

精神症状や薬剤の副作用が呼吸にどのような影響を及ぼしているか

安楽な呼吸を行う方法を知っているか

安楽な呼吸を行う方法は適切に行われているか

 

非効果的呼吸パターン

非効果的気道浄化(成人)

非効果的気道浄化(小児)

適切に飲食する食事に対する意欲、関心、思い、満足感
食事回数、時間、内容、摂取量
食事制限の有無
飲水内容、飲水量
水分出納バランス
飲水制限の有無
間食の有無、内容、摂取量
間食制限の有無
食事制限、飲水制限、間食制限を守っているか
食の嗜好、偏りの有無
食欲の有無
食事摂取方法、動作
口腔、歯、嚥下状態
消化器症状の有無
皮膚の状態
体重の増減
BMI
血液検査の結果:TP、Alb、Hb、血糖(BS)、電解質など
自宅ではだれが買い物、調理をしているか
宅食サービス利用の有無
飲食に影響を及ぼす精神症状の有無
飲食に影響を及ぼす薬剤の使用の有無
食事習慣は正常か

食事摂取量や水分摂取量は正常か

栄養バランスは正常か

電解質バランスの不均衡が起きていないか

精神症状や薬剤の副作用など飲食を妨げる要因はあるか

精神症状や薬剤の副作用が飲食にどのような影響を及ぼしているか

食事に対する満足感はあるか

 

 

安楽障害:悪心・嘔吐

過剰な栄養摂取・肥満、栄養バランス異常

栄養摂取不足、栄養バランス異常 (成人)

栄養摂取不足、栄養バランス異常(小児)

体液量過剰

体液量不足

体液量不足リスク状態

身体の老廃物を排泄する

全部知りたくない? なんでなんだナーシング×note

便失禁

知覚的便秘

便秘(成人)

便秘(小児)

便秘リスク状態

下痢(成人)

下痢(小児)

排尿障害・尿閉

尿失禁

移動する、好ましい肢位を保持する

なんで?なんだ!!!ナーシング×note

セルフケア不足:食事/入浴/更衣/排泄

消耗性疲労

活動耐性低下

徘徊

眠る、休息する睡眠や休息に対する意欲、関心、思い、満足感
睡眠時間
睡眠パターン(入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、昼夜逆転など)
睡眠環境(騒音、明るさ、室温など)
入眠の助けとなるものの有無
安静度
日中の活動状況
日中の過ごし方(平日・休日)
日中の眠気や居眠りの有無
疲労の有無
睡眠や休息に影響を及ぼす精神症状の有無
睡眠や休息に影響を及ぼす薬剤の使用の有無
睡眠パターンは正常か

十分な睡眠がとれているか

十分な休息がとれているか

睡眠や休息と活動のバランスは適切か

精神症状や薬剤の副作用など睡眠や休息を妨げる要因はあるか

精神症状や薬剤の副作用が睡眠や休息にどのような影響を及ぼしているか

不眠

 

適切な衣服を選び、着たり脱いだりする認知機能
更衣に対する意欲、関心、思い、こだわり
好みの衣服と自己イメージとの関連性
運動機能
感覚機能
ADL状況
セルフケア状況
更衣に影響を及ぼす精神症状の有無
更衣に影響を及ぼす薬剤の使用の有無

適切な衣服を選択できるか

衣類の着脱を行えるか

精神症状や薬剤の副作用など更衣を妨げる要因はあるか

精神症状や薬剤の副作用が更衣にどのような影響を及ぼしているか

 

もっと詳しいセルフケア不足(更衣)
衣服の調整と環境の調整により、体温を正常範囲に保持する衣服や環境の調整に関する認識
体温調整の健康管理能力
体温調整に関する訴え
環境(室温、気温、湿度)
体温
熱感の有無
脈拍数、血圧
体温に影響を及ぼす精神症状(自律神経系)の有無
体温に影響を及ぼす精神症状(自律神経系以外)の有無
体温に影響を及ぼす薬剤の使用の有無

体温は正常か

衣服や環境の調整は適切に行えるか

精神症状や薬剤の副作用など体温調整を妨げる要因はあるか

精神症状や薬剤の副作用が体温調整にどのような影響を及ぼしているか

 

高体温(発熱)
身体を清潔に保ち、身だしなみを整え、皮膚を保護する清潔を保持しにくい環境の有無
清潔保持に対する意欲、関心、思い、こだわり
身だしなみに対する意欲、関心、思い、こだわり
清潔を保持する方法(洗面、洗髪、入浴、清拭)
洗面を行う回数、頻度
洗髪を行う回数、頻度
入浴または清拭を行う回数、頻度
精神症状による活動制限
ADL状況
皮膚、粘膜の状態
感染リスクの有無
感染症の兆候や症状の有無
精神症状による身体的不快感の有無
清潔保持や身だしなみに影響を及ぼす精神症状の有無
清潔保持や身だしなみに影響を及ぼす薬剤の使用の有無
清潔は保持されているか

身だしなみは整っているか

清潔保持や整容動作を行えるか

精神症状や薬剤の副作用による皮膚や粘膜の異常はないか

精神症状や薬剤の副作用に関連した感染症状の兆候や症状はないか

精神症状や薬剤の副作用など身体を清潔に保ち、身だしなみを整え、皮膚を保護するを妨げる要因はあるか

精神症状や薬剤の副作用が身体を清潔に保ち、身だしなみを整え、皮膚を保護するにどのような影響を及ぼしているか

もっと詳しいセルフケア不足(整容)

もっと詳しいセルフケア不足(入浴)

皮膚統合性障害リスク状態(成人)

皮膚統合性障害リスク状態(小児)

感染リスク状態

環境の危険因子を避け、また、他者を傷害しない

そろそろ使い倒すか… なんでなんだナーシング×note

身体損傷リスク状態:転倒転落

身体損傷リスク状態:中毒リスク

身体損傷リスク状態:外傷

ボディイメージ混乱

急性混乱リスク状態

慢性混乱(見当識障害)

記憶障害(短期・長期)

思考過程混乱

注意集中力不足

対自己暴力リスク状態

自傷行為リスク状態

自傷行為

自殺リスク状態

対他者暴力リスク状態

他者とのコミュニケーションを持ち、情動、ニード、恐怖、意見などを表出する

この出会いは運命かもしれません なんでなんだナーシング×note

 

 

自分の信仰に従って礼拝する

今日は寝た方がいいんじゃない? なんでなんだナーシング×note

意思決定葛藤

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