定義
非効果的健康管理とは、疾患によって医療処置・症状の管理・身体機能の維持などを必要とする患者やその家族が、必要な処置やケアを行うことが困難あるいは不十分であり、望む生活ができない状態をいう。
「非効果的健康維持」と「非効果的健康管理」の使い方の違い
「非効果的健康維持」は喫煙、運動不足や過食・偏食などの不健康な生活習慣を変えたいと願っている個人に用いられ、発病を予防するための1次予防の場合に使用する。
「非効果的健康管理」は疾患や健康管理に関する教育が必要な患者に使用する。
看護計画
疾患:
既往歴:
治療内容:
目標
管理に必要な知識や技術を習得できる
管理上の問題点に気づき対処できる
O-P
1.疾患、治療内容、合併症の有無
2.既往歴
3.疾患や治療がADL・IADLに及ぼす影響
4.検査データ(胸部レントゲン、WBC、CRP、血液ガス)
5.認知力、理解力
6.コミュニケーション方法(スピーチカニューレ、筆談、文字盤など)
7.呼吸状態(呼吸数、SpO2、胸郭の動き、呼吸器との同調、努力呼吸の有無など)
8.腹部状態(腹部膨満や排便の有無など)
9.気管切開口や気管カニューレの状態、管理状況
-痰の量、性状、喀出状況
-吸引の方法、加湿の状態、管理の有無
-カニューレの管理方法(交換方法、交換のタイミング、入浴時の管理など)
-気管切開口周囲の皮膚状態
10.人工呼吸器の設定、管理状況
-設定値の確認方法
-作動の確認方法
-リークの確認方法
-アラーム時の対処方法
11.セルフマネジメント状況、家族のケアの状況
-気管カニューレや人工呼吸器についての知識、理解
-気管カニューレや人工呼吸器を扱う手技が正しいか
-気管カニューレトラブル、人工呼吸器トラブル、皮膚トラブルに対する対処方法
12.疾患や治療に対する受け止め方
13.不安に思っていること
14.生活状況
-1日の過ごし方
-食生活(回数など)
-喫煙や飲酒の有無
-自宅・地域の環境
-職業
15.家族のサポートの有無、支援状況
16.トラブル出現時の対応能力(呼吸状態悪化、SpO2低下、気管切開口からの出血、気管カニューレの抜去・閉塞、回路外れ、人工呼吸器アラームなど)
17.ソーシャルサポート(社会的支援)の活用状況
-情緒的サポート:共感や愛情の提供
-道具的サポート:形のある物やサービスの提供
-情報的サポート:問題の解決に必要なアドバイスや情報の提供
-評価的サポート:肯定的な評価の提供
T-P
1.患者・家族の思いに寄り添い、尊重した態度で接する
2.患者・家族の思い、不安に思っていることなどを傾聴する
3.患者・家族の発言、表情や行動で気になったことは理由を確認する
4.気管切開に伴うコミュニケーション方法を検討する
5.患者に合ったケア内容や安全対策を盛り込んだ個別の手順書を、主治医・訪問看護師・医療機器提供業者などと共有して作成する
6.家族が必要なケアを安全に実施できるよう、家族の希望・役割・理解度に応じて説明と練習の機会を調整する
7.多職種と連携して退院前カンファレンスを開催する
-患者や家族がニーズや不安なことなどを表出できるように支援し、必要時は代弁する
-退院指導の内容を地域の支援者に伝える
8.必要時は退院前に試験外泊を行い、問題点を明らかにして解決を図る
9.ピアカウンセリング、患者会、家族会を紹介できるように調整する
E-P
1.退院後の管理方法について、パンフレットを用いて説明する
2.発声以外のコミュニケーション方法について説明する
3.気管切開口と気管カニューレの管理方法について説明する
-気管カニューレの確認方法(種類、サイズ、固定位置、固定状況、カフ付き気管カニューレを使用している場合のカフ圧)
-気管カニューレの固定方法
-気管切開口のガーゼの交換方法
-カフ付き気管カニューレを使用している場合のカフ圧の確認・管理方法(主治医等の指示に基づく)
-吸引方法(気管内・口腔・鼻腔)
-加湿方法(人工鼻の取り扱い)
4.人工呼吸器の管理方法について説明する
-設定の確認方法
-換気モードと設定内容の確認方法(1回換気量、気道内圧、換気回数、吸気時間またはI:E比、吸気流量、吸気圧、PEEP、トリガーなど)
-設定は自己判断で変更せず、変更が必要な場合は主治医等へ連絡すること
-アラームの意味と対応方法
-バッテリーの作動時間
5.トラブル出現時の対処方法について説明する(呼吸状態悪化、SpO2低下、気管切開口からの出血、気管カニューレの抜去・閉塞、回路外れ、人工呼吸器アラームなど)
-アンビューバッグの取り扱い方法(主治医・訪問看護師等から指導を受けた方法)
-酸素を使用している場合の取り扱い方法
-トラブル発生時は、主治医の指示に基づく個別の緊急時対応手順に沿って対応する
-緊急時の連絡先、連絡の順序、救急要請が必要な状況を確認する(主治医、訪問看護ステーション、医療機器提供業者など)
6.日常生活のケアの注意点について説明する
-住居環境(温度・湿度を調整する必要性について)
-食事(誤嚥予防について、食事形態や食事時の姿勢は嚥下機能に応じて医師・言語聴覚士(ST)などの指示に基づき調整すること)
-口腔ケア(誤嚥予防、感染予防について)
-ケア時の体位(呼吸状態と誤嚥リスクに応じて個別に調整すること)
-入浴(気管切開口への水の流入を防ぐための方法は、個別の手順に基づくこと)
-排便(便秘予防と排便コントロールの方法は、状態と主治医等の指示に基づくこと)
-外出時の注意点、物品(人工呼吸器や吸引器・吸引物品、酸素、コミュニケーションツール、緊急連絡先など)
-機器トラブルや災害の対応方法について
7.ソーシャルサポート(社会的支援)についての情報、申請、活用方法を説明する
参考サイト
外科的気道確保マニュアル 第2版|日本気管食道科学会
気管吸引ガイドライン2023〔改訂第3版〕|日本呼吸療法医学会
在宅における人工呼吸器患者の管理|日本呼吸療法医学会誌
医療的ケアが必要な人と家族のための災害時対応ガイドブック 支援者版|別府市防災局防災危機管理課 編集協力 一般社団法人 福祉フォーラムin別杵速見実行委員会
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