家族をみることは、退院後の生活が本当に成り立つかを判断するために大切です。
患者さん本人の状態だけでなく、家族の介護力や負担、理解度まで含めて考えることがポイントです。
最後に、実習でそのまま使える「家族をみるときのポイント」を用意しました。
【本日の質問】
脳出血で後遺症がある患者さんが自宅に帰り、ご家族が介護をするみたいなのですが、家族を捉える意義がよくわかりません。
教えてください。お願いします。
【本日の回答】
結論として、家族を捉える意義は「患者さんが退院後も安全に生活できるか」を現実的に判断するためです。
脳出血で後遺症がある患者さんは、本人の回復状況だけでなく家族がどこまで介護を担えるかによって在宅生活の成り立ち方が大きく変わります。
なぜなら、退院後の生活は患者さん一人で完結しないからです。
例えば、移動、更衣、排泄、食事、服薬、再受診の付き添いなどは、家族の支援が前提になっていることが少なくありません。つまり家族を捉えることは、「誰が支えるのか」「本当に家で続けられるのか」を確認することにつながります。
脳出血後遺症の患者さんで特に確認したいのは
1.誰が主に介護するのか
2.家族は患者さんの麻痺や高次脳機能障害、再発予防についてどの程度理解しているか
3.介護する時間・体力・住環境は足りているか
4.介護負担が強すぎて無理が生じないか
という点です。
例えば、歩行に見守りが必要でトイレ移動にも介助がいる患者さんでも家族が日中仕事で不在なら家では転倒や排泄失敗のリスクが高くなります。
この場合は、本人のADLだけでなく、家族の生活パターンや介護可能な時間帯まで把握しないと退院支援は不十分になります。
また、家族を捉えることは「家族の負担を評価すること」でもあります。
家族が「自分が頑張れば大丈夫です」と話していても実際には睡眠不足や不安、経済的負担を抱えていることがあります。
そこを見落とすと、介護疲れや在宅生活の破綻につながり、結果的に再入院の原因にもなります。
実習では、家族を単なる付き添いではなく、在宅療養を支える重要な存在としてみると整理しやすいです。
具体的には、家族構成、介護力、理解度、不安、使える社会資源の5点を意識して情報収集すると看護の視点が深まります。
実践ポイントは、本人に必要な指導と家族に必要な指導を分けて考えることです。
例えば、本人には再発予防やできる動作の練習、家族には安全な介助方法や異常時の受診目安を説明します。
家族の発言として「家で一人でみられるか不安」「移乗介助に自信がない」などがあれば、その言葉自体が重要なアセスメント材料になります。
つまり、家族をみることは家族を評価するためではなく、患者さんと家族の両方が無理なく生活できるよう、必要な支援を考えるために重要です。
📌 本日の要点まとめ

【家族をみるときのポイント】
1.誰が主に介護を担うのかを確認する。
2.家族が患者さんの麻痺や高次脳機能障害、再発予防、介助方法をどの程度理解しているかを把握する。
3.家族の生活パターン、介護に使える時間、体力、住環境が在宅介護に足りているかを確認する。
4.家族が不安や睡眠不足、経済的負担などを抱えていないかを把握する。
5.家族だけで難しい部分を、訪問看護や介護保険サービスなどの社会資源で補えるか考える。
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