ちょっと知りたい!看護実習ミニ辞典:転倒・転落アセスメントスコアシート

成人

転倒・転落アセスメントスコアシートは、患者さんの転倒・転落につながるリスク要因を確認し、リスクレベルを判定して予防につなげるための評価ツールです。

転倒・転落アセスメントスコアシートとは

厚生労働省の医療安全に関する資料では、転倒・転落のリスクを明らかにするために、転倒・転落アセスメントスコアシートを活用してリスクレベルを判定する考え方が示されています。

今回は、日本医師会が示している「転倒転落アセスメントスコアシート(例)」を中心に説明しますが、これは全国共通ではありません。
病院や施設によって使用する評価ツールは異なるので注意が必要です。

患者さんについて確認すること

患者さんについては、身体状態や認知機能、行動などからリスク要因を確認します。

日本医師会が示している「転倒転落アセスメントスコアシート(例)」の主な評価項目は次のとおりです。
・年齢
・既往歴
・感覚
・運動機能障害
・活動領域
・認識力
・薬剤
・排泄
・病状
・患者特徴

それぞれの項目について、転倒・転落歴、視力・聴力障害、筋力低下や麻痺、歩行状態、認知機能、使用している薬剤、排泄状況、発熱や貧血、ドレーン類の有無などを確認します。

環境面で確認すること

環境については、ベッド周囲や照明、床面、補助具などからリスク要因を確認します。

主な確認内容は次のとおりです。
・ベッドの高さやストッパー、ベッド柵の状態
・ナースコールが手の届く位置にあるか
・ポータブルトイレが適切な位置にあるか
・夜間を含めて必要な照明が確保されているか
・床や通路に障害物や滑りやすい場所がないか
・床頭台やオーバーテーブル、コード類が整理されているか
・点滴スタンドや輸液ポンプが移動の妨げになっていないか
・履物や衣類が患者さんに合っているか
・杖、歩行器、車椅子などの補助具が安全に使用できる状態か

患者さんの身体機能や認知機能が同じでも環境によって転倒・転落リスクは変化するため、必ず環境も確認します。

判定方法と評価

日本医師会が示している「転倒転落アセスメントスコアシート(例)」では、各項目を評価して点数を合計し、転倒・転落の危険度を判定します。

・危険度Ⅰ:1~9点
・危険度Ⅱ:10~19点
・危険度Ⅲ:20点以上

転倒・転落リスクは、アセスメントスコアシートの点数だけで判断せず、患者さんの実際の動作や生活場面も合わせて確認します。

例えば、ベッド上では安定していても、立ち上がりや歩行、方向転換、トイレへの移動などで不安定になることがあります。

評価結果から、どの項目にリスク要因があるのか、どのような見守り・介助や環境調整が必要なのかを具体的にします。

繰り返し評価する

転倒・転落リスクは、入院時だけでなく、患者さんの状態やADLが変化したときにも再評価します。

特に歩行や移乗などの活動範囲が広がった場合は、転倒・転落リスクが変化するため、実際の動作と合わせて再評価します。

まとめ

・転倒・転落アセスメントスコアシートは、転倒・転落のリスク要因を確認し、リスクレベルを判定するために用います。
・スコアシートによる患者さんのリスク要因の評価に加えて、周囲の環境・実際の動作・生活場面も合わせて評価します。
・患者さんの状態やADLが変化した場合は再評価し、リスク要因に合わせた予防につなげます。

参考文献

転倒転落防止マニュアル|日本医師会
転倒・転落アセスメントツールに関する提言|日本転倒予防学会
重要事例情報-分析集:転倒転落アセスメントシートの活用|厚生労働省

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