ちょっと知りたい!看護実習ミニ辞典:廃用症候群

成人

廃用症候群とは、身体を動かさない状態が続いたことで生じる二次的な障害の総称です。
筋肉や関節だけでなく、呼吸、循環、消化、皮膚、精神・認知機能などにも影響し、ADLの低下につながります。

廃用症候群の原因

廃用症候群につながる主な要因には、次のようなものがあります。
・病気や手術後の長期安静
・痛み、息切れ、倦怠感などによる活動量の低下
・麻痺や関節可動域制限などによる動きにくさ

廃用症候群による変化

廃用症候群では、次のような変化が現れます。
・筋肉・関節:筋萎縮、筋力低下、関節拘縮
・循環:起立性低血圧、深部静脈血栓症のリスク上昇
・呼吸:肺活量低下、痰の貯留、無気肺や肺炎のリスク上昇
・消化:便秘
・皮膚:褥瘡
・精神・認知:意欲や認知機能の低下
・生活機能:起き上がり、移乗、歩行、更衣、排泄などのADL低下

廃用症候群になると全身の機能やADLが低下し、さらに動かなくなるという悪循環につながります。

廃用症候群は予防が第一

廃用症候群は予防が第一です。
必要以上の安静を避け、患者さんの状態に応じて活動範囲を広げます。

具体的な予防方法は次のとおりです。
・良肢位を保持し、必要に応じて体位変換を行う
・関節可動域訓練やベッド上での運動を行う(患者さんが行えない場合は、他動運動で介助する)
・早期離床を進め、座位、移乗、立位、歩行など、活動を広げる
・食事、整容、排泄など、できることは本人に行ってもらう
・食事摂取量や栄養状態を確認する

これらを病状、安静度、荷重制限、呼吸・循環状態、転倒リスクに合わせて安全に進めましょう。

廃用症候群が生じた場合に確認すること

廃用症候群が生じた場合は、どの機能がどの程度低下しているかを確認します。

・筋力:上下肢の筋力、立ち上がりや姿勢保持ができるか
・関節:関節可動域、拘縮の有無、動かしたときの痛み
・循環:血圧、脈拍、起立時の血圧低下、めまい、ふらつき
・呼吸:呼吸数、SpO₂、息切れ、痰の有無や喀出状況
・食事・栄養:食事摂取量、体重の変化、栄養状態
・排泄:排便回数、便性状、便秘の有無
・皮膚:骨突出部の発赤、褥瘡の有無
・精神・認知:意欲、覚醒状態、認知機能の変化
・ADL:寝返り、起き上がり、移乗、歩行、更衣、排泄などがどこまで行えるか、必要な介助量

まとめ

・廃用症候群は、安静や活動量の低下によって心身の機能が低下した状態です。
・筋肉や関節だけでなく、呼吸、循環、消化、皮膚、精神・認知機能などにも影響し、ADLの低下につながります。
・必要以上の安静を避け、状態に応じて運動や離床、日常生活での活動を進めることが予防につながります。
・廃用症候群が生じた場合は、筋力、関節、循環、呼吸、栄養、排泄、皮膚、精神・認知機能、ADLの状態を確認します。

参考文献

廃用症候群|看護roo!
廃用症候群について|医教コミュニティ つぼみクラブ
廃用症候群に関する看護計画|大腿骨頸部骨折の患者さん|ナース専科

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