ちょっと知りたい!看護実習ミニ辞典:意識レベルの確認

成人

意識レベルは、患者さんがどの程度覚醒し、周囲を理解して反応できるかのことをいいます。
意識レベルは、JCSやGCSを用いて評価します。

JCSとGCSは特徴や使われる場面が異なる

JCSは、日本で広く用いられている意識レベルの評価法です。覚醒の程度を短時間で確認しやすいため、救急搬送時、救急外来、病棟などで使われています。

GCSは、開眼・言語・運動の反応を分けて確認できるため、頭部外傷の評価や救急外来、集中治療などで意識状態の変化を詳しく評価するときに使われています。

※使用する尺度は施設や診療科によって異なります。

JCSは覚醒の程度を評価する

JCSは覚醒の程度を中心に評価します。
刺激をしなくても覚醒しているか、刺激で覚醒するか、刺激しても覚醒しないかを評価します。

記録は「JCS 3」「JCS 30」「JCS 200」のように数値で記載します。

不穏がある場合にR、失禁がある場合にI、無動無言状態などがある場合にAを付けることがあります。
例:「JCS 30-R」「JCS 30-I」「JCS 300-A」

0:意識清明

1桁:刺激しなくても覚醒している
・1:だいたい意識清明だが、今ひとつはっきりしない
・2:見当識障害がある
・3:自分の名前や生年月日が言えない

2桁:刺激すると覚醒し、刺激をやめると眠り込む
・10:普通の呼びかけで容易に開眼する
・20:大きな声または体を揺さぶることで開眼する
・30:痛み刺激と呼びかけを繰り返すとかろうじて開眼する

3桁:刺激しても覚醒しない
・100:痛み刺激に対し、払いのけるような動作をする
・200:痛み刺激で手足を少し動かす、または顔をしかめる
・300:痛み刺激に反応しない

GCSは開眼・言語・運動の3項目で評価する

GCSは、開眼反応E、言語反応V、運動反応Mを別々に評価します。

GCSの合計は3〜15点です。
「GCS E3V4M6=13」のように、各項目と合計点を記録します。

点数が低いほど意識障害が重い状態です。

開眼反応:E
・4:自発的に開眼する
・3:呼びかけで開眼する
・2:痛み刺激で開眼する
・1:開眼しない

言語反応:V
・5:見当識が保たれている
・4:会話はできるが混乱している
・3:不適切な単語を話す
・2:理解できない声を出す
・1:発声しない

運動反応:M
・6:命令に従う
・5:痛み刺激を加えた部位へ手を持っていく
・4:痛み刺激から手足を引く
・3:痛み刺激で異常屈曲する
・2:痛み刺激で伸展する
・1:動かない

痛み刺激の方法

痛み刺激は、呼びかけで反応を確認できない場合に、必要な範囲に限って行います。

一般的には、指先(爪床)への圧迫や僧帽筋へのつまみ刺激を行います。
まず指先への刺激を行い、刺激した部位へ手を持っていく反応(局在反応)を確認するときは僧帽筋への刺激を用います。

意識障害の原因

意識障害の原因は、頭蓋内の異常と全身性の異常に分けて考えます。

頭蓋内の異常による意識障害
・脳血管障害:脳梗塞、脳出血、くも膜下出血
・頭部外傷:脳挫傷、頭蓋内血腫など
・感染・炎症:脳炎、髄膜炎
・その他:てんかん発作、脳腫瘍

全身性の異常による意識障害
・呼吸・循環の異常:低酸素血症、高二酸化炭素血症、ショック、不整脈、心不全
・代謝・内分泌の異常:低血糖、高血糖、電解質異常、肝不全、腎不全
・薬剤・中毒:睡眠薬、鎮静薬、オピオイド、アルコール、一酸化炭素など
・感染・体温の異常:敗血症、高体温、低体温など

意識障害の原因は一つとは限らないため、発症状況や既往歴、服薬状況などを合わせて確認しましょう。

特に気を付けるべき変化

・意識レベルが急に低下した
・呼びかけへの反応が前回より悪くなった
・呼吸・循環の異常や新たな麻痺、けいれんを伴った

まとめ

・意識レベルは、JCSやGCSを用いて評価します。
・JCSは覚醒の程度、GCSは開眼・言語・運動の反応を評価します。
・痛み刺激は、施設の手順と指導者のもとで必要な範囲に限って行います。
・意識障害の原因は、頭蓋内の異常と全身性の異常に分けて考えます。
・意識レベルの急な低下や前回より反応が悪くなった場合は、速やかに報告します。

参考文献

意識障害|日本救急医学会
症状編 意識障害|日本神経学会
神経学的検査チャート作成の手引き|日本神経学会
GCS Aid|Glasgow Coma Scale

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