血圧は、心臓から送り出された血液が血管の壁を押す力です。
測定条件によって変わりやすいため、数値だけでなく、測った姿勢や時間、患者さんの症状も合わせて見ます。
血圧の値
上の血圧を収縮期血圧といい、心臓が収縮して血液を送り出したときの圧を示します。
下の血圧を拡張期血圧といい、心臓が拡張しているときの圧を示します。
成人の診察室血圧は、次のように分類されます。
・正常血圧:収縮期血圧120mmHg未満かつ拡張期血圧80mmHg未満
・正常高値血圧:収縮期血圧120~129mmHgかつ拡張期血圧80mmHg未満
・高値血圧:収縮期血圧130~139mmHgかつ/または拡張期血圧80~89mmHg
・Ⅰ度高血圧:収縮期血圧140~159mmHgかつ/または拡張期血圧90~99mmHg
・Ⅱ度高血圧:収縮期血圧160~179mmHgかつ/または拡張期血圧100~109mmHg
・Ⅲ度高血圧:収縮期血圧180mmHg以上かつ/または拡張期血圧110mmHg以上
・孤立性収縮期高血圧:収縮期血圧140mmHg以上かつ拡張期血圧90mmHg未満
診察室血圧では、収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上、家庭血圧では、収縮期血圧135mmHg以上または拡張期血圧85mmHg以上で高血圧が疑われます。
1回の測定だけでは診断せず、別の日の測定や家庭血圧の経過も使って判断します。
高血圧と診断された人の降圧目標は、原則として診察室血圧130/80mmHg未満、家庭血圧125/75mmHg未満です。
これは診断基準ではなく治療の目標です。ただし、患者さんの状態、併存疾患、フレイル、起立性低血圧や転倒の危険などを考慮し、個別に調整されます。
血圧は「いつ、どのような状態で測ったか」が大切
食事、運動、入浴、喫煙の直後ではないかを確認し、測定前に数分間安静にします。
測定中は会話を避け、同じ姿勢で測ります。
座位で測る場合は楽な姿勢になってもらい、足を組まずに両足を床につけてもらいます。
腕の力を抜き、マンシェットを巻いた上腕が心臓の高さになるように支えます。
上腕の太さに合うマンシェットを選び、素肌または薄い衣類の上から装着します。
厚い衣類の場合はまくり上げて上腕を締めつけないようにします。
点滴中の上肢、透析のシャントがある側、外傷や処置を受けている側、麻痺側は避けます。
乳房手術後、リンパ節郭清後は、医師の指示や施設の手順を確認して測定側を選びます。
血圧測定の方法
マンシェットの下端を肘窩より2〜3cm上に置き、ゴム嚢の中央を上腕動脈の位置に合わせます。
マンシェットと腕の間に指が1〜2本入る程度に巻きます。
最初に橈骨動脈または上腕動脈を触れながら加圧し、拍動が触れなくなったら、ゆっくり減圧します。拍動が再び触れ始めた圧を収縮期血圧の目安とします。
その後、上腕動脈に聴診器を当て、推定した収縮期血圧より20〜30mmHg高く加圧します。
1拍につき2〜3mmHg程度の速度で減圧します。
コロトコフ音が初めて聞こえた圧が収縮期血圧です。
音が消失した圧が拡張期血圧です。
電子血圧計を使う場合も姿勢、腕の高さ、マンシェットの大きさをそろえます。
値が患者さんの状態と合わない場合は、測定条件を確認し、必要に応じて再測定しましょう。

高い血圧も症状がなくても経過を見る
高血圧は、症状がないことも多くあります。
単発の高値だけで判断せず、安静後の再測定、普段の値、疼痛、不安、発熱、排尿状況、服薬状況を確認します。
非常に高い血圧に加えて、激しい頭痛、胸痛、呼吸困難、意識障害、麻痺などがみられる場合は緊急性があります。速やかに報告しましょう。
低い血圧は症状と変化の大きさを見る
低血圧には一律の診断基準がありませんが、収縮期血圧100mmHg以下を目安にすることがあります。
ただし、もともとの血圧が低い人もいるため、数値だけで異常と決めません。
低血圧は、原因が明らかでない本態性低血圧、脱水、出血、心機能の低下、薬剤などに伴う二次性低血圧、起立時や食後などに一時的に起こる低血圧に分けられます。
次の変化があるときは、血圧の値と合わせて速やかに報告します。
・めまい、立ちくらみ、失神
・意識の変化、反応の遅れ
・冷汗、顔面蒼白、四肢の冷感
・脈拍の増加、脈が弱い
・尿量の減少
・胸痛、呼吸困難
・普段より急に血圧が下がった
まとめ
・高血圧の診断基準と治療中の降圧目標は異なります。
・血圧は、測定姿勢、腕の高さ、マンシェットの大きさをそろえて比べます。
・手動測定では、コロトコフ音の開始が収縮期血圧、消失が拡張期血圧です。
・高値や低値を見たときは、普段との差と患者さんの症状を合わせて確認します。
参考文献
血圧測定の意義とポイントは?|看護roo!
血圧測定(聴診法)|動画でわかる看護技術・看護roo!
バイタルサインがもともと悪い患者の場合、「急変かどうか」を、どう判断する?|看護roo!
低血圧|済生会
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