この記事は、noteのメンバーシップで公開している【完全版】の一部を【無料お試し版】として公開しています。
メンバーシップ(初月無料)に参加すると、この記事の全ての解説はもちろん、300本以上の全ての看護計画・アセスメント記事が今すぐ読み放題になります。Word/Excelでのダウンロード特典も利用可能です。
胃がんのアセスメントを使用する主な診療科目
・一般内科
・消化器内科
・消化器外科
・腫瘍内科
・放射線治療科
・緩和ケア科 など
胃がんとは
胃がんとは、胃の粘膜上皮から発生する悪性腫瘍の総称である。多くは腺癌であり、発生部位、進行度、組織型によって臨床経過や治療法が異なる。
主な原因として、食塩の過剰摂取、喫煙、過度の飲酒、遺伝的素因などが知られている。
胃がんは、壁深達度により粘膜〜粘膜下層にとどまる早期胃がんと、筋層より深くまで浸潤する進行胃がんに分類される。
・早期胃がん:自覚症状に乏しく無症状のことが多い。心窩部痛や上腹部不快感を呈することもある。主に検診をきっかけに発見される。
・進行胃がん:がんからの出血による黒色便、それに伴う貧血症状(運動時の息切れ、易疲労感など)が現れる。さらに進行すると体重減少や食物の通過障害、閉塞症状をきたすこともある。
情報収集のポイント
胃がん患者の情報収集では、特に以下の3つの視点が重要である。
✅ ① 栄養状態とその関連症状
胃がんは、がんそのものによる消化機能低下や食欲不振、あるいは治療(手術、化学療法など)の副作用により、あらゆる病期で低栄養をきたしやすい。食事摂取量、体重の変化、悪心・嘔吐の有無に加え、低栄養が引き起こす倦怠感や易疲労感といった全身状態を正確に把握する必要がある。
✅ ② 身体的苦痛と合併症のリスク
がんの進行に伴う疼痛、吐血・下血、腹水、通過障害といった身体的苦痛の有無と程度を把握することは極めて重要である。加えて、治療段階においては術後合併症(縫合不全、肺炎、深部静脈血栓症など)や化学療法の副作用といった治療に起因する新たなリスクにも常に注意を払う必要がある。
✅ ③ 心理・社会的側面
がんの告知、治療方針の決定、再発への不安、終末期の意思決定など患者は病期に応じて様々な心理的ストレスに直面する。患者の言動や表情から不安や抑うつの兆候を把握するとともに疾患が仕事や家庭、経済状況といった社会的背景に与える影響を理解し、必要なサポートを検討することが求められる。
【まとめ】
胃がん患者の情報収集では「①栄養状態」、「②身体的苦痛」、「③心理・社会的側面」という3つの視点が病期を問わず常に重要となる。なぜなら、これらは患者の「生命維持」「QOL(生活の質)」「その人らしい生の尊重」という看護の根幹に直接かかわる為である。
アセスメントの基本的な書き方(定型文)
アセスメントは、基本的に以下の4つのステップで考えます。
この「型」に情報を当てはめることで、誰でも論理的なアセスメントが書けるようになります。
【アセスメントの4ステップ】
1.状態の判断: 患者の状態は正常か、異常か?
2.根拠の明確化: なぜ、その状態か?
3.現在の問題は何か?(実在型)
4.今後のリスクは何か?(リスク型)
胃がんのアセスメント:【ステップ② 根拠の明確化】
食欲不振
ゴードンの機能的健康パターン:栄養-代謝パターン
ヘンダーソンの14の基本的欲求:適切に飲食する
胃がんでは、胃に食物が入り胃酸が分泌されると炎症や潰瘍を形成した部位を刺激して疼痛が生じる。これにより食事をすること自体がストレスになることがある。また、胃運動機能の低下や胃内容物の停滞により胃が拡張し、迷走神経を介して満腹中枢を刺激すると考えられている。加えて、胃内容物停滞や炎症に伴う上腹部不快感、腹部膨満感、腹痛、嘔気・嘔吐などを引き起こしさらに食欲を減退させる。この食欲不振はこれらの機序により生じている。
痩せ・るい痩
ゴードンの機能的健康パターン:栄養-代謝パターン
ヘンダーソンの14の基本的欲求:適切に飲食する
胃がんにより胃の蠕動運動や消化機能が障害されると、【食物のつかえ感、胃内容物の停滞感、上腹部不快感、心窩部痛、腹部膨満感など】を感じて食事摂取量が減少する。これらにより、エネルギーおよびたんぱく質の摂取量がエネルギー消費量を大きく下回ると、体内の脂肪や筋肉などの組織が分解され、体重が著しく減少する。また、胃がんによる慢性的な炎症反応が、たんぱく質の分解の促進や基礎代謝の亢進を引き起こす。この痩せ・るい痩はこれらの機序により生じている。
※胃切除後にはさらに「胃切除による栄養素の吸収障害が生じる。」を追加してください。
低血糖(胃切除後)
ゴードンの機能的健康パターン:栄養-代謝パターン
ヘンダーソンの14の基本的欲求:適切に飲食する
胃切除により食物が小腸に急速に排出されると、食直後に血糖値が急上昇してインスリンの過剰分泌を促す。インスリンの過剰分泌により一転して血糖が低下し、食後2~3時間後に低血糖症状が出現する。これを後期ダンピング症候群と言う。この低血糖はこれらの機序により生じている。
その他の根拠一覧
腹部膨満感
①胃の拡張
②上腹部の悪性腫瘍
腹水
①腹膜播種
②門脈圧の亢進
吐血・下血
①吐血
②下血
下痢(胃切除術後)
①胃切除術後の消化・吸収不良
②胃切除術後の早期ダンピング症候群
胸水貯留
易疲労
倦怠感
腹痛
がん疼痛
悪心・嘔吐
【病態関連図のポイント】
【看護問題と計画】
Word・Excelダウンロード特典
参考サイト

